デイリーマーケットコメントー米GDP上方修正で米ドル上昇、本日米PCE指数発表

投稿日: 2022年12月23日19時41分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog

・米失業保険申請件数の減少とGDP上方修正で米ドル上昇
・本日米PCE指数でインフレ予測
・米株価は新たな圧力

米失業保険申請件数の減少とGDP上方修正で米ドル上昇

昨日米ドルは、ほぼ全ての主要外貨に対して、上昇しました。本日、対円に対しても上昇しています。

先週の米新規失業保険申請件数が予想を下回り、また第3四半期の米GDP上方修正が、米ドル上昇につながりました。この好調なデータで、市場はFRBによる利上げ持続を予測しているのかもしれません。これによって、市場は金利のピーク予測を若干引き上げましたが、依然として来年末の0.5%利下げを織り込んでいます。

米経済成長を見極めるため、昨日発表された経済指標だけでなく、市場は最新の情報に注目しながら、慎重にFRB利上げ観測を行っているようです。先週の新規失業保険申請件数は予想を下回りましたが、労働市場は依然として緊迫しています。継続的な申請件数は、1月以来の高水準に留まっています。GDPの上方修正は、主に個人消費と企業投資の上方修正を反映しましたが、住宅市場の落ち込みは予想以上に深刻です。

これらの経済指数によって、来年の米経済の景気後退への懸念は払拭されたとは言えません。今週発表されたアトランタ地区連銀によるGDP NOWでは、第4四半期の経済成長を前期比2.7%上昇と予測しました。しかし、住宅投資は21.5%の急落を見込み、この10年連続で予想以上に深刻な下落を意味します。

米コアPCE指数がFRB利上げ観測に影響

本日米国では、11月の個人消費支出物価指数(PCE)が発表されます。また11月の個人所得、及び支出のデータ、耐久財受注も同時に発表されます。

主に、耐久財受注の減少と個人取得、及び支出の減速が予測されています。コアPCEインフレ率は、前年比5%から4.7%の減速が見込まれています。市場はCPI指数を材料視しますが、FRBはPCE指数により注意を払います。

PCE指数が4.7%に減速した場合、市場はFRBの方針転換を予想するでしょう。そのため、米ドルが9月に記録した数十年ぶりの高値を更新するほど回復する公算は低いです。来週のクリスマス休暇による流動性の低下とともに、インフレ減速の指標結果によって、米ドルは下落に向かう可能性があります。

米株価下振れリスクで下落再開

昨日の堅調なデータの結果、市場のFRB利上げ懸念を誘導し、米株価は下落しました。堅調なデータは従来、株価にネガティブに反映しますが、軟調なデータは株価にポジティブに反映するとは言えません。最新の米PMI指数や小売売上高が、米経済の景気後退への懸念を高め、株価の売りにつながりました。

このため、株価は依然として下落に向かうリスクが伴います。S&P 500は現在50日と100日の指数移動平均と一致する3920のキーゾーンの下からの圧力を受けています。S&P 500指数は1月に反発した過去最高値からの下降トレンドラインを下回っています。