デイリーマーケットコメントー米ドル高一服、カナダドルはCPIがリスク材料

投稿日: 2022年9月20日19時37分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog
  • FOMC政策発表控え、米ドル高一服
  • ショートカバーで株価回復
  • カナダのインフレ上昇一服の可能性
  • ゴールド回復、しかしながら上昇幅は限定的

FOMC控え米ドル下落、株価回復

昨日に対主要通貨で若干下落した米ドルは、本日には若干安定して推移しています。

米ドル下落の明確な要因は見当たらないものの、明日にFOMC政策発表を控え、ロングポジション手仕舞いの動きがあったようです。

米株価は回復したものの、リスク資産の購入ではなく、水曜日のサプライズリスク緩和の為、ショートポジションをカバーする動きが見られました。更に、昨日の米株価取引量は今年に入って6番目に少ない日だったことも、リスクオンムードに振れなかったもう一つの要因として考えられるでしょう。

したがって、ファンダメンタルズには殆ど変化はありません。市場は0.75%の利上げを完全に織り込んでおり、1%の利上げの可能性は20%となっています。1%の利上げ観測が根強く残っている為、市場の落胆余地もあります。

市場では翌年の利下げ観測が依然として残っている一方で、最近のFRBメンバー発言内容と同様に、最新のドットプロットは政策金利は4%越えの後、高金利継続の見通しが示されています。したがって、米ドルの下落は一時的に過ぎず、米ドルの上昇相場が再開する公算が大きいでしょう。米国債利回りが上昇する一方で、米株価も下落するでしょう。

カナダのインフレ上昇スピード失速兆しで、利上げペース鈍化の可能性

本日には、カナダ8月消費者物価指数も発表され、カナダドルトレーダーの注目を集めるでしょう。最近のカナダ中央銀行の政策会合では、0.75%の利上げが実施され、利上げペース鈍化は示唆されませんでした。インフレ上昇ペース鈍化が予想される中、利上げ観測も見直され、カナダドル下落に繋がる可能性があります。

カナダは世界第4位の原油産出国の為、原油価格下落もカナダドル下落の要因になるでしょう。昨日の若干の回復にもかかわらず、米ドル高、景気後退懸念、及び需要鈍化により、原油相場の下落トレンドは継続する見通しです。

ゴールド回復、しかしながら、国債利回り上昇がゴールド需要に影響

米ドルの一時的な下落の恩恵を受けたゴールドは、1660ドル台を超え、7月21日に記録した1681ドルのレジスタンスラインを若干下回る水準まで上昇しました。ゴールドが先週金曜日に29か月ぶりの安値を更新後、投資家の関心を集める一方で、国債は利回り上昇により、魅力が低下しています。

今週は、米利上げに加えて、スイス国立銀行、及びイングランド銀行の利上げも予想されています。スイス国立銀行は0.75%から1%の利上げ、イングランド銀行は0.75%の利上げの可能性が75%となっています。超緩和政策を維持している主要銀行は日銀のみとなっています。日銀が為替介入を警告しても、金利差拡大により、円は下落するでしょう。ドル/円が145円台を突破するのは時間の問題かもしれません。