デイリーマーケットコメントー為替介入警告にもかかわらず円安、ゴールド下落

投稿日: 2022年9月15日19時55分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog
  • 為替介入にもかかわらず、円安再開
  • 主要通貨ペアは狭いレンジ幅内で推移、株価回復
  • ゴールド下落、米小売売上高に注目

為替介入警告にもかかわらず円安

日本政府と日銀があらゆる手段で円安を牽制しているものの、円安は止まりません。昨日、日本政府と日銀による為替介入への警告で円安は一時的に阻止されたものの、本日の円は過去最大の貿易赤字のニュースにより下落を再開しました。

今年に入って、金利差拡大に加えて、貿易赤字の拡大も円安の主要な要因となっています。日本は常に貿易黒字を維持してきましたが、エネルギー価格の高騰、及びエネルギーの殆どを輸入に依存していることから、貿易赤字に転じ、円は主要な長所を失いました。

日本政府と日銀はあらゆる手段で為替介入を牽制するものの、実施する公算は低く、実施されても効果は継続しないと市場では見なされているようです。単独為替介入は外貨準備額の制限によって効果が低くなり、逆効果となる可能性もあります。

円安の流れを唯一変えることができるのは、翌週に控える日銀の政策会合です。しかしながら、物価、及び賃金が十分に上昇していない為、日銀は政策変更に消極的姿勢を示しています。日銀の政策転換の可能性が低い一方で、現時点において円は売られ過ぎの水準に十分に達している模様です。そのため、円の方向性を見極めることは困難な状況となっています。

市場は静かな動き

今週は殆どの市場で上昇してのスタートとなりましたが、本日の市場は落ち着いたムードとなりました。米消費者物価指結果による乱高下後、殆どの通貨ペアは狭いレンジ幅内での取引となりました。

エネルギー危機緩和の為、EUは市場介入の方針を打ち出しました。提案には、電力会社の供給不足を回避する対策、化石燃料企業の利益分配措置、及び再生可能エネルギー生産者の収入上限設定等が盛り込まれました。経済破綻を回避する為の適切な方向転換の一歩ですが、市場の期待通りではなかった為、ユーロ上昇スピードは減速しました。

昨日の米株式市場では、株価急落後に買戻しの動きが見られ、終値は上昇しました。次の大きなリスクイベントは、翌週のFOMC政策会合です。1%の利上げの可能性は、3分の1の確率となっています。

ターミナルレートは4.4%まで上昇し、量的緩和は引き締められ、バリュエーションは高水準を維持し、特に欧州と中国の経済指標は迅速に鈍化し、企業収益の見通しは悪化が予想されています。

ゴールド下落、米経済指標結果に注目

米利上げ方針はゴールドにも影響しています。米ドルと米国債利回り上昇により、ゴールドは大きなダメージを受けています。ゴールドは、警戒ゾーンと見なされる1680ドル台に接近しています。

本日には、米8月小売売上高、及び中露首脳会談に注目が集まるでしょう。