デイリーマーケットコメントーリスクオフの流れで、株価下落、米ドルは強弱混合

投稿日: 2022年5月24日17時53分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog
  • 中国政府の刺激策への市場の反応は限定的、円上昇、米ドルは強弱混合
  • スナップの業績悪化見通しで、米主要株価先物指数は下落
  • ユーロとポンドは5月PMI指数に注目

経済成長懸念で再度リスクオフ

本日には、主要経済国での経済成長鈍化への懸念が再燃し、市場ムードが後退しました。これを受けて、米ドル、円、スイスフラン等の安全資産が上昇しました。ロシアのウクライナ侵攻以来、経済制裁によって悪化したインフレ高進に対応する為、各国の中央銀行が利上げを余儀なくされ、市場は板挟み状態となっています。

中国のロックダウンはサプライチェーンの混乱を悪化させ、先行き不透明感が強まりました。中国政府がゼロコロナ政策の維持を明確に示していることから、市場では中国政府による経済成長政策に懐疑的な見方が広がりつつあります。

中国政府は、経済対策として、一連の減税、及び刺激策を発表したものの、市場では経済支援にはより積極的な政策が必要と見なされ、市場の反応は限定的でした。

株価回復の勢い失速

本日のアジア株式市場は全面安となり、中国CSI300は1.8%の値下がりとなりました。スナップチャットを運営するスナップの株価下落が影響し、欧州株価、及び米主要株価先物指数も下落基調となっています。スナップが第2四半期売上高目標を下回る見通しを表明したことが株価下落要因となったようです。

収益の下方修正は予想外ではないものの、米大手企業も収益悪化を公表する可能性が懸念され、市場が予想外に反応したようです。

昨日のS&P 500は上昇して引けたものの、Eミニ先物指数は1.3%下落しました。スナップの時間外取引での下落がフェイスブック等のデジタル広告に依存するソーシャルメディアの株価に影響し、ナスダックの先物指数は2%以上値下がりしました。

ユーロ上昇、NZドル下落、安全資産の需要増加で円上昇

リスクオンの流れにより、豪ドルとNZドルが下げ幅を拡大させ、カナダドルも下落しました。一方、ユーロとポンドは最近の上昇幅を維持しました。

明日のニュージーランド準備銀行の政策会合では、0.50%の利上げがほぼ確実視されています。しかしながら、今後の利上げ方針が予想程タカ派的にならない可能性が材料視され、本日のNZドルは下落しました。

ECBの7月利上げ観測により、ユーロは最も堅調に推移した通貨で、対米ドルで0.3%上昇し、1.07ドル台越えを達成しました。

最近のECBメンバーの見解は、7月の量的緩和終了、及び7月利上げで一致しているようです。ドイツとフランスから発表された5月PMI指数への市場の反応は限定的でした。市場予想を僅かに上回る結果により、現在の所、欧州経済は予想程には悪化していないようです。

英5月PMI指数の発表を控え、ポンドは対米ドルで1.2585ドル付近を維持し、横ばい推移となっています。

ユーロと円の上昇により、米ドルインデックスは下落しました。現在の所、ドル/円は約1か月ぶり安値付近で推移しています。