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株価上昇
FRBによるインフレ抑制のための金融引き締め示唆にもかかわらず、先週金曜日の米株価は上昇幅を拡大させました。先週のS&P 500は、FRBの利上げ方針公表後のボラティリティ低下を追い風に、6%以上上昇して引けました。
FOMC政策後には既に複数のFRBメンバーが発言し、最もハト派寄りと見なされるミネアポリス連銀のカシュカリ総裁も年内残り6回の利上げに前向き姿勢を示しました。年内残り6回の利上げは、市場予想と一致します。
利上げ方針発表後の株価上昇により、市場はFRBの方針にポジティブに反応しているようです。金融引き締めにより、インフレが米経済に長期的に影響しないことが好感され、株価上昇に繋がっているようです。
市場でのインフレ見通しは、殆ど変化していません。インフレ上昇、及び利回り低下は継続し、株価は上昇し、特に最も下落した成長株は大きな回復が予想されています。
市場は、FRBがインフレ抑制に苦戦すると見なしているようです。インフレ上昇継続は、債券市場にはネガティブな要因となり、コモディティ市場は既に参加者が多いことから、株式市場に有利になります。
今週はユーロにとって困難な週に
通貨市場では、停戦期待により、先週のユーロは大きく回復したものの、今週は停戦期待が後退しつつあります。木曜日には、ユーロ圏3月PMI指数が発表され、ユーロの値動き予想は楽観的となっています。
ユーロ圏3月PMI総合指数の市場予想では、緩やかな低下に過ぎず、拡張範囲内となる見通しですが、ウクライナ侵攻、及びロシアの経済政策後の経済状況を考慮すると、非現実的な予想でしょう。ユーロ圏3月PMI指数が予想外に縮小範囲まで低下し、経済の先行き不透明感を浮き彫りにした場合、ユーロ急落の可能性があります。
総じて、市場はウクライナ情勢、景気後退への懸念、及び中央銀行のインフレ対策に引き続き注視するでしょう。市場で広く認識されていることは、金融正常化において、日銀が他の中央銀行よりも大きく後れを取る為、最近の円は全面安となっています。
原油価格上昇、パウエル議長の発言に注目
コモディティ市場では、ロシアへの一段の経済制裁の脅威により、原油価格の上昇幅が拡大しました。EUは、米国と同様にロシア産原油の輸入禁止を検討しています。
状況を一段と複雑化させていることは、ウクライナ紛争の停戦協議が膠着状態で、イラン産原油の輸入再開の協議も行き詰っています。更に、原油価格高騰にもかかわらず、米シェールの生産増加も遅れています。
本日には、GMT16:00のパウエル議長の発言に注目が集まります。市場の最大の関心は、5月に0.50%の利上げの可能性です。現在の所、市場では5月の0.50%の利上げは50%ですが、パウエル議長の発言内容は、市場予想だけでなく、米ドル相場にも影響するでしょう。