デイリーマーケットコメントー株価回復、日銀は大規模な緩和政策継続

投稿日: 2022年3月18日20時08分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog
  • 根強いリスクにもかかわらず、株価回復
  • 米ドル下落、日銀の緩和政策継続で円全面安
  • 英中銀は慎重な利上げ実施、ポンド上昇

米株価回復

多数のリスク要因が根強く残っているものの、ウクライナ戦争の平和的解決への期待、及び中国政府による追加刺激策の示唆により、世界株式市場は回復しました。

ウクライナ侵攻、インフレ上昇、中央銀行による利上げ、及び景気後退の可能性上昇等、今年の市場は多数のリスク要因が混在しています。

シナリオ通りの展開にならないことが多く、その度に市場のボラティリティが上昇しました。多数のマネーマネジャーは、リスク削減の為、ディフェンスやレバレッジ縮小を余儀なくされ、買戻しのチャンスを待っています。株価のバリュエーションはパンデミック前の水準まで戻り、殆どのネガティブなニュースが織り込まれたとの認識により、一部の投資家は市場に戻って来ました。

昨日、S&P 500は上昇幅を拡大させ、今週を約5%の上昇で終える模様です。ナスダック指数はより上昇しました。底値に達したと判断するのは難しいものの、嵐の最悪の段階は過ぎ去った模様です。

利上げは織り込まれ、バリュエーションも落ち着き、投資家はヘッジをしています。市場は全ての要因に反応したものの、実際に景気後退がない限り、市場が一段の下落継続の公算は小さいでしょう。

米ドル下落、円は全面安

外国為替市場では、リスクムード回復、及び日本と他国との金利差拡大により、円が最も下落した通貨でした。

本日の日銀の政策会合では、大規模な金融緩和政策の維持が公表されました。日銀が世界的な金融正常化の流れに合流しない限り、実質的なトレンド展開を描くことは困難でしょう。

FRBのタカ派的見解にもかかわらず、今週は米ドルにとって困難な週でした。利回りの格差は米ドルにとって有利な展開となったものの、リスクムード回復が市場で材料視されました。

英中銀は慎重姿勢、ユーロ上昇

昨日、イングランド銀行は0.25%の利上げを決定し、0.50%以上の利上げを期待していた投資家を落胆させました。イングランド銀行の政策メンバーは、英経済への楽観的見通しを下方修正し、フォワードガイダンスでは、今後の状況次第では、利上げ停止の余地が追加されました。ポンドは一時値下がりしたものの、その後にはリスクムード回復により値上がりしました。

今週、最も上昇した通貨は、ユーロとコモディティ通貨でした。現時点でも、ユーロはウクライナ情勢の影響を大きく受けます。平和的解決への期待がユーロを回復させたものの、翌週に控えるユーロ経済指標発表がウクライナ侵攻によるユーロ圏経済への影響を改めて浮き彫りにするでしょう。

本日は、主要な経済指標発表は控えていません。市場の注目は、米中首脳の電話会談に向けられるでしょう。