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FRBは利上げ開始
昨日、FRBは0.25%の利上げを決定しました。利上げは市場で完全に織り込まれていたものの、最新のドットプロットで年内残り6回の利上げを示し、タカ派的方針を明らかにしました。
年内残り6回の利上げは市場予想と一致したものの、エコノミストの予想を上回りました。記者会見でのパウエル議長は堅調な米経済を強調し、米経済は景気後退に陥ることなく、利上げに耐えることができるとの見解を示しました。
結論として、FRBはインフレ抑制に前向き姿勢を示しています。金融正常化の開始を十分に待ったとの見方が広がっており、最近のコモディティ価格急騰が金融正常化着手を後押ししたようです。更に、今回の動きにより、FRBはインフレの一段と上昇、及び長期化を予想していることが明らかになりました。
FRBのタカ派的見解への市場の反応は限定的
FRBは金融正常化に向けて明確なメッセージを発信しましたが、市場の反応は限定的でした。米株式市場の終値は大幅に上昇し、米ドルは全面安となりました。FRBのタカ派的見解を鑑みると、市場は予想外の反応を示しました。
原因として、複数の要因が考えられます。パウエル議長は0.50%の利上げには消極的で、バランスシート縮小には新たな材料はありませんでした。
しかしながら、パウエル議長の姿勢やバランスシート縮小に関する新たな材料不足だけではなく、「噂で買って、事実で買う」という典型的なケースが原因のようです。大型の投資家は、FRBの金融政策決定に備えて、プットオプションでヘッジして、イベント後にボラティリティ収まった時にポジションを決済する為、株価が上昇します。
英中銀の政策会合に注目
市場全体では、ウクライナ戦争の平和的解決への期待により、今週の市場ムードは改善しました。最新の報道によりますと、協議は停戦に向けて進展しているようです。ウクライナが限定的な自国軍を持ちつつ中立的な立場を維持する場合、ロシア側はウクライナからの撤退の意向を示したようです。
平和的解決への期待を背景に、ユーロは大きく上昇し、円は下落しました。ポンドも大きくし、ユーロに対しても値上がりしました。
本日、イングランド銀行が金融政策を発表します。0.25%の利上げは完全に織り込まれており、0.50%の利上げの可能性は3分の1の確率として市場では見なされています。したがって、ポンドの最初の反応は、利上げ幅次第となるでしょう。インフレが上昇する中、景気後退の兆しもある為、イングランド銀行が大胆な利上げに踏み切る時期ではないでしょう。
明日には、日銀の政策会合が予定されています。日本経済はまだデフレから脱却できていない為、緩和政策終了が示唆される公算は小さいでしょう。日銀が方針転換をしない限り、円相場の動きはリスクムードと他国の金融政策次第となるでしょう。