デイリーマーケットコメントー株価と円下落、国債利回り上昇

投稿日: 2022年3月15日20時56分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog
  • インフレ懸念上昇、米利上げ控え国債利回り上昇
  • 株価下落、特にハイテク株と中国株が旧r区
  • 停戦協議への期待で、円、ゴールド、及び原油価格下落

米利上げ控え、株価下落

FRBが利上げに向けて動く中、世界市場は大きなストレスに直面しています。ウクライナ戦争、及び中国での最近のロックダウンは、ドミノ効果を生み出しました。米利上げが予定される中、市場はインフレの長期化を予想しています。

今週、様々なインフレ対策が実施される模様です。物価上昇を抑制する為、市場ではFRBが予想よりも速いペースでの利上げを実施するとの見方が広がっており、国債利回りを押し上げています。

インフレに加えて、クレジットへのリスクも上昇しています。中央銀行による資金凍結、及びロシア資産のデフォルト懸念浮上により、ロシア資産売却の動きが加速し、ロシア国債利回りが急騰しています。実質的なリスクは、インフレが上昇する中、世界的な景気後退が起きるとどうなるでしょうか?

現在、マネーマネジャーによるリスク資産売却が加速しています。昨日、ハイテク銘柄が中心のナスダック指数は2%下落し、本日の米主要株価先物指数は下落してのスタートとなりました。中国株価も急落しました。最近の中国政府によるハイテク企業への規制強化に加えて、ロックダウン実施により、本日の中国株式市場は約6%の下落しました。

戦争取引後退

市場全体では、戦争取引の後退が継続しました。停戦期待による利益確定売りの動きを受けて、ゴールドと原油価格は下落を継続し、ウクライナ侵攻による上昇幅の殆どを失いました。

今週、まだ明確な進展はないものの、本日にはウクライナとロシアの停戦協議が再開されます。協議が毎日開催されることにより、平和的解決への期待も上昇しています。

安全資産の需要低下、及び世界の国債利回り上昇を受け、最も下落した通貨は円になっています。日本は依然としてデフレのリスクに直面する中、エネルギー価格高騰は消費者心理の冷え込みに繋がり、今週の政策会合で日銀が緩和政策終了を決定する公算は小さいでしょう。

ユーロとポンドは若干回復

外国為替市場では、ウクライナとロシアの停戦期待、及び原油価格下落を背景に、ユーロが回復しました。株価の上値の重い展開にもかかわらず、本日の前半のユーロは上昇しました。

ユーロと米ドルは相反する動きを見せる為、米ドルは下落しました。明日のFOMC会合を控え、多数の投資家はポジションの再調整とリスクヘッジに動いているようです。

不思議なことに、最近のポンドは下落基調となっています。英国よりもユーロ圏のロシアへのエネルギー依存度が高いにもかかわらず、ロシア軍によるウクライナへの侵攻以来、ポンドは対ユーロでも下落しています。これにより、英国内でのロシア資産の売却が加速している可能性が浮上します。

本日には、重要な経済指標発表は予定されていません。明日のFOMC政策会合結果の発表まで、市場の関心は停戦協議に向けられるでしょう。