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ウクライナへの攻撃継続の中、市場の混乱は小休止
ウクライナへの攻撃は一段と激しくなり、3回目の停戦協議では進展はありませんでした。しかしながら、本日の市場では過去数日間の荒い値動きが一服しているようです。
約2週間の攻撃後、ロシア軍はウクライナの主要都市の占拠に苦戦していることが報じられ、ロシア政府が交渉での解決に前向きになる憶測も広がっています。これを受けて、欧州時間のロシア資産は若干回復しました。木曜日には、トルコの仲介で両国の外相が直接会談する予定で、今までの協議よりも進展があることが期待されます。
状況は依然として不安定の為、リスク資産が継続的な回復する環境にはなっていません。米議会は、ロシアからのエネルギー輸入禁止に向けて動いています。一方、ロシアはノードストリーム1での欧州への天然ガス供給を停止する可能性を示しています。
しかしながら、欧州が米国に追随し、ロシア産原油の輸入制限に踏み切らない限りは、ロシア側が欧州への天然ガス供給を停止する公算は小さいでしょう。この危機がどれくらい大きくなるかを市場は注視してます。
一段の経済制裁の可能性で、市場はリスクオフ
ロシアへの厳しい経済制裁により、コモディティ市場は既に荒い値動きとなっており、一段と上昇する可能性もあります。原油価格は2008年の金融危機以来の高値まで急騰しました。
今週月曜日のブレント原油先物は139.13ドルまで、WTI原油先物は133.46ドルまで値を切り上げました。
ウクライナ侵攻以来、ロシアとウクライナの主要な輸出品である小麦、コーン、パラジウム、及びニッケルも急騰し、インフレ上昇だけでなく、世界的な景気後退への懸念も上昇しています。
昨日、安全資産のゴールドは、2000ドルを突破し、2020年8月以来の高値となりました。米ドルの若干の下落により、ゴールドは上昇幅を拡大させています。
米ドル若干下落、米2月消費者物価指数の発表待ち
リスク回避の流れにより、円やスイスフラン等の安全資産も上昇しました。インフレ上昇、及び労働市場の過熱を抑制する為のFRBによる積極的な利上げ予想を背景に、米ドルはウクライナ危機が始まる前から既に上昇傾向にありました。
木曜日に発表される米2月消費者物価指数が市場予想を上回った場合、利上げ観測の追い風となるでしょう。
ユーロ若干上昇、今週のECB政策会合に注目
ECBはより困難な選択を迫られるでしょう。欧州経済は、ロシアへの経済制裁で大きな打撃を受ける中、インフレ上昇と経済成長のバランスを保つ必要があります。
木曜日のECB政策会合において、年内の量的緩和縮小への反対姿勢を示された場合、ユーロが一段安となるか可能性があります。
昨日のユーロは、対米ドルで22か月ぶり安値1.0804ドルまで急落し、対スイスフランでも値を切り下げました。スイス国立銀行の介入を背景に、本日のユーロは、対米ドルとスイスフランで回復しました。
本日前半のポンドは、対米ドルで16か月ぶり安値1.3079ドルまで急落しました。ウクライナ情勢のリスク回避の動きにより、豪ドルとNZドルは上昇傾向となっています。しかしながら、本日には、豪ドルもNZドルも高値から下落しました。