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ウクライナ危機悪化で、全面的侵攻への懸念浮上
本日、ロシアの軍事進攻開始を受けて、世界中の投資家にとって暗い一日の始まりとなりました。プーチン大統領は、ウクライナ東部の軍事施設をターゲットにして、「特別軍事作戦」を実施することを発表しました。
プーチン大統領はウクライナ侵略が目的ではないと明らかにしているものの、欧米諸国は一段の経済制裁に踏み切るでしょう。ロシアの主要な目的は、ウクライナの非軍事化、及びNATOの東欧への拡大阻止だとしても、事態は悪化する可能性あります。しかしながら、欧米諸国がどれくらい厳しい経済制裁に講じることができるかを市場は疑問視しているようです。
供給懸念でコモディティ価格急騰
欧米諸国の経済制裁によるロシアのエネルギー供給への影響リスクを市場は既に懸念しています。本日、原油価格は6%以上値上がりし、ブレント原油先物は2014年8月以来初めて100ドル台を突破しました。WTI原油先物も98ドル台まで上昇しました。
欧州内での警戒感を反映し、天然ガス先物も値上がりしました。欧州内では、既にエネルギー価格が急騰しています。穀物価格も急騰しています。ロシアとウクライナは、小麦やとうもろこしの主要輸出国であり、情勢悪化はコモディティ供給に大きな影響を及ぼします。
ウクライナからの供給懸念により、アルミニウム、及びニッケル等の価格も上昇しました。ゴールドは、本日の欧州セッションでは約2%上昇して推移しています。
ゴールドは重要なレジスタンスゾーンである1960ドル付近には届かなかったことから、状況の一段の悪化のニュースがない限りは1960ドル突破の公算は小さいでしょう。
安全資産への資金流入で、株価急落
株式市場の反応は正反対で、世界中の株価が下落しました。アジアの株安の流れを引き継ぎ、欧州株価も開始時から急落しました。
独DAX株価指数は一時的に14,000台を割り込み、仏CAC40指数も直近で3.4%値下がりしています。一方、英FTSE100指数はエネルギー株の下支えされ、2.4%の下落に留まりました。
米主要株価先物指数も昨日の株安の流れを引き継ぎ、下落基調となっています。ハイテク銘柄の急落を受けて、昨日のナスダック指数は下落相場付近まで値を切り下げました。
債券市場では、利回りが全面的に低下しました。米10年債は1.86%まで低下しています。今月前半からの利回り上昇は一服しているものの、過去数日間の安全資産の需要増加を鑑みると、利回りは緩やかな低下に留まっています。利上げ観測が利回りを下支えしているようです。
米ドルと円の需要増加、NZドルとユーロ下落
ウクライナ侵攻により、ゴールドに加えて、円も大幅に上昇しました。安全資産の需要増加を背景に、過去24時間の米ドルとスイスフランも上昇しています。
対照的に、欧州への影響が懸念され、ユーロは急落し、対米ドルで1.12ドル台を割り込みました。
最近、ECBのレーン理事は、ECBの債権買い入れが予想よりも早期に終了する可能性を示唆し、タカ派的見解を示しました。
昨日、FRBのダドリー総裁もタカ派的見解を示しました。ウクライナ情勢の緊迫化を受けて、市場の利上げ観測も若干後退しています。しかしながら、地政学リスクによってエネルギー価格が急騰した場合、中央銀行は迅速な対応を迫られる可能性があります。
米利上げ見通しの修正により、米ドル高が継続するかにも市場の注目があつまるでしょう。リスク通貨の低下により、直近の米ドルインデックスは0.7%上昇しています。
本日、最大の下げ幅を記録した通貨はNZドルで、次いでユーロ、豪ドル、及びポンドも大きく下落しました。ロシアルーブルも急落し、対米ドルで史上最安値となる89.99ロシアルーブルを更新しています。