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ウクライナ情勢の緊迫化で、株価下落
本日の世界の株価は下落し、3連休明けの米株式市場も下落する見通しです。ロシア政府は、ウクライナ東部のドネツク州、及びルガンスク州を独立国家として承認することを明らかにしました。これを受けて、米国、英国、及び欧州はロシアへの制裁を発表しました。
プーチン大統領が「平和維持」を名目に親ロシア派支配地域にロシア軍を派遣した為、緊張が高まりました。外交的解決の可能性は依然として残っていますが、過去24時間以内のロシア側の行動から判断すると、ロシアがウクライナから撤退するかは不透明です。
ロシア側の目的がウクライナ東部での支配強化に過ぎないのか、ウクライナ侵攻の始まりなのかに市場は注目しています。
ロシアの株価が最大の下落幅記録
ウクライナ情勢の緊迫化を受けて、ロシアの株価は急落し、昨日には10%以上、本日には5%以上値下がりしました。ロシアルーブルも急落し、対米ドルで16か月ぶり安値80.93ロシアルーブルまで値を切り下げました。
欧州株式市場は、2%以上下落してスタートしたものの、その後には若干回復し、パニックの動きの緩和の兆しが見られます。
アジア株式市場は全面安となりました。中国政府によるハイテク産業への新たな規制も、香港市場の株価下落に繋がりました。
米主要株価先物指数も3日連続での下落を示し、ナスダック先物指数は1.7%値下がりし、最大の下げ幅を記録しました。
原油価格は100ドル台目前、ゴールドは1900ドル台割れ
本日に上昇したのは、エネルギー市場のみでした。武力衝突によるロシアからの原油、及び天然ガス輸入への影響が懸念され、エネルギー価格が急騰しました。
ブレント原油先物は100ドル台目前まで上昇し、WTI原油先物も95ドル台越えを達成しました。
ウクライナ情勢の緊迫化によって上昇したのは、エネルギー価格だけではありませんでした。ロシアからの供給が懸念され、アルミニウム、及びニッケルも急騰しました。
ゴールドは9か月ぶり高値1913.89ドルまで一時急騰後に下落し、1900ドル台を割り込みました。
米国債利回りが昨日の低下から回復した為、ゴールドの上値が重くなったようです。しかしながら、市場は国債利回りの一段の上昇前に、ロシアへの制裁内容を見極めたいようです。
コモディティ通貨急騰、一方の米ドルは横ばい推移
コモディティ市場の上昇は、コモディティ通貨の豪ドル、カナダドル、及びNZドル高の追い風となりました。原油高によるカナダドルの上昇幅は非常に僅かだったものの、豪ドルは二日連続での上昇となる模様です。
明日にニュージーランド準備銀行の政策会合を控え、NZドルは昨日に記録した1か月ぶり高値0.6733ドル目前まで上昇しています。
市場の緊迫したムードが若干落ち着いた為、安全資産の円は下落しました。
米ドルは横ばい推移となり、ユーロと円も最近のレンジ幅内で推移しています。
ウクライナ危機により、FRBによる積極的な利上げ見通しが若干後退し、米ドルの上値を重くしています。複数のFRBメンバーは、3月の0.50%の利上げの可能性を疑問視している姿勢を明らかにしました。その一方で、昨日にはボウマンFRB理事は、0.50%の利上げの可能性が残っていることを示唆しました。
本日には、アトランタ連銀のボスティック総裁の発言が予定されています。米2月消費者信頼感指数、及び米2月マークイットPMIも発表されます。