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市場はウクライナ情勢に注目
仏政府が提案した米露首脳会談により、外交的解決への希望が残っているものの、今週の取引は引き続き慎重ムードでのスタートとなりました。ウクライナへの侵攻を回避する為、マクロン仏大統領は、プーチン露大統領とマクロン米大統領にそれぞれ会談実施を働きかけました。
プーチン大統領とバイデン大統領は首脳会談実施に合意したものの、ロシア政府のスポークスマンは「首脳会談の詳細な計画を協議するには時期尚早」と発言した為、ロシア側は首脳会談の早期実施の公算は小さいと見なしているようです。
インフレ上昇を抑制する為、世界の中央銀行が金融引き締めに動き出す中で、ウクライナ危機が起こった為、市場の荒い値動きは当面の間は継続する模様です。
一部の市場参加者は、中央銀行が当初の予定通りに金融引き締めを実施するかに懐疑的になりつつあります。ウクライナ侵攻によるロシアへの制裁実施でエネルギー価格が一段と上昇した場合、中央銀行は金融引き締めの先送りを余儀なくされるでしょう。
リスクムード回復でゴールドは1900ドル台割れ
第二次世界大戦以来最大の戦争への脅威が市場に引き続き影響しています。本日のゴールドは、2021年6月以来初めて1900ドルを達成しました。
地政学リスク上昇により、年初から現在まで最も堅調推移したのはゴールドで、次いで原油が堅調に推移しています。
外交的解決への期待により、現在、ゴールドは1900ドルを下回って推移しています。しかしながら、ポジティブなニュースによるゴールドの下落は限定的です。したがって、市場は状況悪化を依然として懸念しているようです。
ロシアと欧米との対話によって、原油価格の下落しましたが、下落幅は限定的です。イランの核協議合意見通しによる原油相場への影響は限定的です。
PMI指数の強い結果で外国為替市場のリスクムード回復
通貨市場では、ウクライナ情勢の緊張緩和により、ユーロが力強く回復しました。ユーロ圏2月PMI指数の強い結果も、ユーロ回復の追い風となりました。
ユーロ圏経済の回復、及びインフレ上昇が継続する限り、ECBは第2四半期と第3四半期において量的緩和縮小に踏み切らざるを得ないでしょう。
ユーロ/ドルは1.1360ドル付近で推移し、英2月PMIが0.3%上昇したことを受けて、ポンドも上昇しました。
本日の市場ムード改善を受けて、リスク通貨の豪ドルとNZドルも上昇しました。一方で、米ドルと円は下落しました。スイスフランの下落幅は限定的でした。
FRBの慎重姿勢により、米ドル下落
米ドルインデックスは約0.25%低下して今週をスタートしました。外交的解決によるウクライナ侵攻回避に加えて、3月の0.50%の利上げ観測後退により、米ドルは若干上値の重い展開となっています。
先週末、複数のFRBメンバーが翌月の政策会合での大幅な利上げの可能性の公算は小さいとの見解を示しました。
