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リスクオンムード回復
ウクライナ国境からのロシア軍撤退ニュースにより、緊張緩和の期待が高まり、世界市場に楽観的ムードが戻りました。これを受けて、リスク資産が再度値上がりしました。
ロシアへの制裁、及びエネルギー供給への影響が回避されたとの見方が広がり、外国為替市場ではユーロが上昇しました。ユーロは特に安全資産の円に対して上昇しました。安全資産の需要低下、及び世界的な国債利回り上昇により、円は大幅に下落しました。
状況は依然として不安定で、市場ムードはリスクオフに傾く可能性もあります。しかしながら、現在の所、金融市場は危険ゾーンを脱出したようです。回復幅から判断すると、ロシアのウクライナ侵攻の可能性が一段と後退した場合、リスク資産の一段の回復余地があるでしょう。
コモディティ価格下落
コモディティ市場では、リスクオフムード後退により、ゴールド価格が下落に転じました。国債利回りの回復は、コールドの魅力を低下させました。これからがゴールドの戦いになるでしょう。
過去数週間のゴールドは、安全資産の需要増加に支えられ、国債利回り上昇にもかかわらず、底堅く推移していました。地政学リスク後退により、金融引き締めによる影響に注目が集まるでしょう。ゴールドが1880ドル台を維持した場合、レジスタンスラインが高値となる公算が大きいでしょう。
プーチン大統領が一部の軍隊の撤退を表明した後、原油価格が下落しました。イランと欧米との核協議に関しては、EU側が合意の最終段階にあることを明らかにし、明るい兆しも見えています。米シェールオイルの増産も、原油価格を一段と下落させる要因となるでしょう。
米経済指標、及び米四半期決算発表に注目
本日には、米1月小売売上高、及びFOMC議事録が発表される為、米ドルに最大の関心が集まるでしょう。年内6回半の利上げが予想されている中、市場ではインフレ抑制に向けたFRBの対応への期待が高まっています。
懸念されることは、米ドルが最近の経済指標の強い結果の恩恵を受けていないことです。先週に発表された米消費者物価指数の強い結果を受けて、債券市場では利上げ予想回数が1回増えました。一方、米ドルの上昇幅は限定的で、地政学リスクが上昇するまで、米ドルには大きな上昇は見られませんでした。
通貨が良いニュースで上昇しない場合、通常はトレンドの終焉サインです。したがって、本日の経済指標は極めて重要になります。米小売売上の強い結果で米ドルが大きく上昇しなかった場合、上昇トレンド終焉を裏付けることになるでしょう。
本日には、エヌヴィディア等の企業決算も発表されます。