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ウクライナ情勢緊迫化
地政学リスクが再び金融市場に影響を及ぼしています。ロシアによるウクライナ侵攻の可能性の高まりを受けて、先週金曜日には、米大統領は米国民にウクライナから直ちに退避するよう勧告しました。ロシアの軍事行動を阻止する為、米国は外交的な道は残されているとして、ロシア側に事態の鎮静化を改めて呼びかけていますが、ロシア側は応じるかは不透明です。
一方、市場はウクライナ情勢の緊迫化に反応し、安全資産に資金が流入しました。リスク資産から安全資産への資金移動により、株価は下落し、ゴールドは3か月ぶり高値まで急騰しました。
今年のゴールドは、中央銀行による流動性削減、及び国債利回り上昇にもかかわらず、底堅く推移しています。西側諸国がロシアへの経済制裁を行った場合のエネルギー危機が懸念され、原油価格も7年ぶり高値まで急騰しています。
ユーロ下落、米ドルと円上昇
外国為替市場では、ロシアによるウクライナ侵攻の場合のエネルギー危機の影響が懸念され、ユーロが下落しました。欧州は既にエネルギー価格高騰に直面している為、深刻な問題となるでしょう。原油価格上昇にもかかわらず、ロシアルーブルも下落しました。一方、安全資産の需要増加により、米ドルと円が上昇しました。
安全資産への資金流入に加えて、FRBによる金融引き締め観測も米ドル高の追い風となりました。先週の米消費者物価指数の強い結果により、積極的な利上げの可能性が一段と高まりました。
現在、年内6回の利上げ、及び3月の0.50%の利上げが予想されています。今週のFOMC緊急会合実施の憶測も広がっています。
今後の市場の動き
世界市場の関心は、ウクライナ情勢に集まっています。本日、ドイツのショルツ首相は、ウクライナ侵攻を回避する為にキエフに向かう予定で、外交的試みは継続しています。
ウクライナ情勢の緊張が平和的に緩和した場合、安堵による反動で、リスク資産が力強く回復する可能性があります。今後の数セッションは、ウクライナ情勢への懸念により、リスクオフの流れが継続するでしょう。しかしながら、市場全体の見通しでは、ウクライナ情勢への懸念は弱まりつつあります。
最近の市場は、米利上げ観測からロシアの軍事行動等の様々なリスクに直面しているものの、パニックの動きは見られず、底堅く推移しています。ボラティリティは継続する模様ですが、経済は底堅く推移し、買戻しの動きが十分にある為、株価急落の可能性は小さいでしょう。長期的には、ボラティリティは市場にとってポジティブになるでしょう。
本日、GMT16:15にはラガルドECB総裁の発言が予定されています。