デイリーマーケットコメントー米消費者物価指数発表控え株高継続、米ドル堅調推移

投稿日: 2022年2月10日21時02分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog
  • 米株価は1月の下落からの回復幅拡大、米消費者物価指数発表控え、米主要株価先物指数はは下落
  • 米消費者物価指数の上昇予想で、市場が方向性見極めの為、米ドル高一服
  • インフレ、及びFRB政策への不透明感で、ゴールドは2週ぶり高値まで上昇

米消費者物価指数発表控え、株式市場は慎重姿勢

本日後半に米消費者物価指数発表を控え、ムードが改善した市場は様子見ムードとなっています。昨日、米株価は二日連続で上昇し、先週の国債利回り上昇による下落幅を回復させました。

国債利回り上昇の一服が株価回復に繋がったようです。金融政策に関しては、先月から変更がないことを考慮すると、株価は予想以上に底堅い動きを見せています。ECBが今年後半の利上げを示した場合、株式市場でのパニックの動きが強まる可能性もあります。

米10年債利回り上昇が2.0%付近で止まったことから、市場は安堵したようです。過去数四半期で市場は米企業の強い決算結果に慣れてしまったことは、差し迫ったリスクにはならない為、株価回復の期待もあります。

米企業の強い決算結果は、米株価を上昇させています。欧州企業の決算も好調な結果となっています。昨日、閉場後にディズニーの好調な四半期決算結果が発表されましたが、発表前に既にディズニーの株価が上昇しました。

S&P 500は0.9%値上がりし、ナスダック指数は2%上昇しました。米主要株価先物指数は下落して推移しているものの、欧州とアジアの株価は概ね上昇しました。

米消費者物価指数発表に向けて、市場の慎重姿勢が強まる可能性があります。米1月消費者物価指数は、40年ぶり高水準の7.3%増が予想されています。

米消費者物価指数発表控え、ゴールド上昇、米ドル横ばい推移

FRBが指標を重視する傾向となっており、今後1-2年の利上げ見通しへの不確実性が増えていることから、本日の米消費者物価指数には大きな注目が集まるでしょう。

FRBメンバーは3月の0.50%の利上げには反対する姿勢を示していますが、その後は不透明です。インフレピーク達成の兆しが見られた場合、国債利回りは現在の高い水準から大幅に低下するでしょう。

市場が各地域のインフレ見通しを判断している中、米ドルインデックスは底堅く推移しています。米国のインフレが他国よりも先にピークに達した場合、短期から中期的な米ドル見通しは悪化するでしょう。

インフレ見通しは不透明な中、中央銀行の利上げ幅やスピードを予測することは困難です。市場の不透明感を背景に、ゴールドは上昇し、本日には2週ぶり高値まで急騰しました。

現在、ゴールドは1830ドル台を試す展開となっています。1830ドル台突破は、本日の米消費者物価指数の結果次第でしょう。

ユーロとポンドは緩やかな上昇

ラガルドECB総裁が年内利上げへの慎重姿勢を示したため、今週のユーロは狭いレンジ幅内での取引となりました。

ユーロ/ドルは1.1435ドル付近で取引されています。イングランド銀行のチーフエコノミスト、ピル氏は、一段の金融引き締めは、安定的な実施が望ましいとの考えを明らかにしました。

コモディティ価格上昇で豪ドルとNZドルは上昇トレンド維持

市場のリスクムード改善を背景に、昨日の豪ドルとNZドルは上昇幅を拡大させました。

最近の豪ドルとNZドルの上昇背景には、コモディティ価格の上昇があります。過去2セッションの銅先物指数は上昇しています。昨日に発表された原油在庫は、予想外に減少した為、原油価格も緩やかに上昇しました。イランと主要国が核協議に合意した場合、市場はイランへの制裁解除を見極めようとする為、原油価格の上昇圧力は強くはならないでしょう。