デイリーマーケットコメントー米雇用統計後の上昇一服、米1月消費者物価指数に注目

投稿日: 2022年2月7日20時24分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog
  • 米ドルは米雇用統計後の上昇一服、しかしながら米1月消費者物価指数に注目
  • ECBの利上げ観測が上昇する中、ユーロ相場はラガルド総裁の発言に注目
  • アマゾンの株価上昇にもかかわらず、国債利回り急騰で、米株価は強弱混合の動き

米ドルと国債利回りは、米雇用統計後の上昇一服

米雇用統計の予想以上に強い結果で終了した先週に続き、今週は比較的静かなスタートとなりました。米1月非農業部門雇用者数は46.7万人増となり、最も悲観的な予想だけでなく、最も強気な予想も大幅に超えました。

オミクロン株による感染拡大は、依然として米国内の様々な分野に影響を及ぼしていますが、雇用には影響を及ぼさなかったようです。更に、昨年11月と12月の非農業部門雇用者数が70.9万人増に上方修正されました。インフレ強硬派が注目したのは、時給が予想を超えて上昇したことです。これにより、米労働市場の堅調な回復が裏付けられました。

現在、3月の0.50%の利上げの可能性は、約30%となっており、年内5回の利上げが完全に織り込まれています。米雇用統計発表後、国債利回りが上昇しました。米10年債利回りは、米2年債利回りを上回り、1.9360%まで上昇しました。国債利回り上昇は、米ドルの4日連続の下落に繋がりました。

本日、緩やかながらも、米ドルインデックスは上昇幅を拡大させました。その他の中央銀行がタカ派的路線に変更する中、米ドル高は今までのようには簡単には進まないようです。米経済の力強い回復を背景に、FRBが最も積極的に利上げを進める公算は大きいでしょう。インフレのピーク達成が予想される中、市場の関心は木曜日に発表される米1月消費者物価指数に向けられるでしょう。

ラガルド総裁の発言控え、ユーロ下落

米ドル回復の主要因はユーロ次第となるでしょう。先週、ECBのラガルド総裁が年内利上げの可能性を示唆し、ユーロは2.7%上昇しました。本日、ラガルド総裁の発言が予定されていますが、金融正常化への言及は、ユーロ相場を動かすでしょう。

先週末、オランダ中央銀行のクノット総裁の発言は、第4四半期での利上げを観測を上昇させました。本日、ユーロ圏国債利回りは上昇を継続しているものの、ユーロは若干押し戻され、対米ドルで1.1425ドル付近で推移しています。

先週、イングランド銀行のベイリー総裁が市場のタカ派的利上げ観測を疑問視する発言をした後、ポンド/ドルは1.36ドル台越えは達成できませんでした。

本日、豪ドルとカナダドルは例外で、対米ドルで上昇しました。円も予想外に堅調推移しています。

米主要株価先物指数下落

世界の株式市場は、強弱混合の動きとなりました。欧州では英国とドイツの株価が上昇しました。アジアでは、春節明けの中国株価の上昇が、アジアの他国の軟調推移を底支えしました。

米株式市場では、Eミニ先物指数は下落し、先週金曜日の上昇を維持できませんでした。アマゾンの株価上昇により、先週のナスダック指数は1.6%上昇して引けました。

前回の米四半期決算シーズンとは異なり、一企業の強い結果は市場全体の上昇には繋がらない一方で、フェイスブックの様に脆弱な結果となった場合には、株価が急落します。長期的なコスト上昇見通しにより、投資家の慎重な投資先選択の姿勢が浮き彫りとなりました。