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株安の流れ継続
昨日の米株価は前半の上昇幅を失い下落し、1月からの回復は一服しました。物流遅延、及びコスト上昇に加えて、金融引き締めへの懸念により、株式市場の投資家はFRBによる流動性追加に期待できないことを認識しつつあります。
物流遅延、及びコスト上昇による四半期決算への影響が鮮明になる中、S&P 500は0.5%、ナスダック指数は1.4%値下がりしました。米企業の決算は概ね好調な結果となったものの、テスラの決算結果で明らかになったように、企業が直面する新たな課題が見通し悪化に繋がっています。
テスラの四半期決算は好調な結果となったものの、部品不足による製造への影響が2022年の業績見通しを悪化させています。テスラ株価が11%以上値下がりし、その他のハイテク株や電気自動車メーカーの株価下落にも繋がりました。
米アップルは物流遅延にも上手く対応し、第4四半期の売り上げは過去最高を記録しました。時間外取引でのアップル株価上昇により、ナスダック、及びS&P 500の先物指数も上昇しました。
世界の株式市場は、上値の重い展開となりました。中国で翌週からスタートする旧正月休みを控え、中国CSI300は下落相場に転じ、欧州株式市場も全面安でのスタートとなりました。
本日には、キャタピラー、及びシボレーの四半期決算に注目が集まるでしょう。
FRBのタカ派的方針により、米ドル全面高
外国為替市場では、米ドル全面高となりました。FRBのタカ派的見解が2年債利回りを上昇させた為、米ドルインデックスは2%上昇して今週を終える模様です。米第4四半期GDPは前期比年率6.9%増となり、米労働市場は利上げに対応できるとのパウエル議長の見解を裏付ける結果となりました。
パウエル議長は3月以降の数回の利上げを示唆し、FF先物指数の利上げ確率が上昇しました。
他の中央銀行も利上げに向けて動いている為、米ドルのみの急騰は市場を若干当惑させました。
ユーロとコモディティ通貨は下げ幅拡大
本日のユーロ/ドルは1.12ドル台を割り込み、20か月ぶり安値を更新しました。
コモディティ通貨も下落し、NZドルは15か月ぶり安値となりました。豪ドルは対米ドルで0.70ドル台を試す展開で、カナダドルも約1.5%下落して今週を終える模様です。
ゴールド下落、最近の市場の乱高下にもかかわらず原油価格は底堅く推移
米ドル高によりゴールドは下落し、1800ドル台を割り込みました。現在、地政学リスクが若干後退し、米ドル高がゴールド相場に影響しています。
物流遅延への懸念が原油価格を下支えしています。最近の市場の乱高下にもかかわらず、原油高は継続していますが、翌週のOPEC会合を控え、市場は慎重姿勢となるでしょう。
今週のブレント原油先物は90ドル付近で推移し、WTI先物指数は87ドル越えを達成しました。