デイリーマーケットコメントーサンタクロースラリー一服、米ドル上昇

投稿日: 2021年12月29日21時33分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog
  • 米株式市場の上昇一服、しかしながら米主要株価先物指数は上昇
  • 米ドルは一段高、オミクロン株への懸念が残る中、円も回復
  • 原油価格は一段と上昇、国債利回り低下にもかかわらずゴールド下落

米株高の流れ一服、しかしながら一段の上昇余地あり

S&P500の終値は4800台越えを達成できず、中国のハイテク銘柄が一段と下落した為、本日の株式市場は楽観ムードが後退しました。

S&P500は1%下落して引け、ナスダック指数も0.6%値下がりしました。ダウ工業株のみ上昇し、五日連続での上昇を達成しました。2021年の取引日は残り3日となりましたが、サンタクロースラリー再開の期待も残っている為、米株価上昇の余地もあります。

米経済への楽観的見通し、及びオミクロン株の感染拡大によるロックダウン懸念の後退が最近の上昇に繋がっています。米国や英国等の国々では新規感染者数が急増しているものの、入院者数はデルタ株のピーク時を下回っています。

オミクロン株と中国の規制強化懸念でアジアの株価下落

市場の懸念は、オミクロン株の感染がアジアにも広がった場合の影響でしょう。アジア内でのワクチン接種率は国毎に異なり、ワクチン接種率の高い国でも、3回目の接種が始まったばかりです。したがって、2022年の最初の数か月間の成長見通しは不透明です。

オミクロン株の感染拡大、及び中国政府によるハイテク業界への規制強化が本日のアジア株式市場の上値を重くしています。香港、中国、及び韓国の株価が最も下落しました。

欧州株式市場も利益確定売り動きにより、値下がりしました。二日間の祝日明けの英FTSE 100は約1%上昇しました。米主要株価先物指数も上昇し、市場ムード改善の兆しを示しました。

静かな市場で米ドルは1週ぶり高値

外国為替市場では、若干慎重ムードとなり、米ドルが緩やかに上昇しました。円安の流れ、及び他の主要通貨がレンジ幅内の取引となっている為、米ドルインデックスは1週ぶり高水準まで上昇しました。過去24時間の円は一部の下げ幅を回復させ、特に対ユーロで値上がりしました。一方、本日のドル/円は1か月ぶり高値を更新し、115円台を試す展開となっています。ポンド、ユーロ、及びNZドルは若干下落しましたが、豪ドルとカナダドルは横ばい推移となりました。

11月末から米ドルが底堅く推移する一方で、リスク通貨はオミクロン株による下落から一部回復に下に過ぎません。長期国債利回りには大きな動きがないため、米2年債利回りの上昇基調が米ドルを下支えしているようです。

ゴールドは再び下落、原油価格は上昇維持

米国債利回りの動きはゴールド上昇に繋がっています。ゴールドは、今月半ばから緩やかに上昇しています。昨日、ゴールドは1820ドル越えを一時達成したものの、その後に押し戻されています。

オミクロン株による需要への影響は限定的と市場は見なしている為、原油価格は上昇を維持しました。WTI原油先物は今月前半の安値から20%以上回復し、直近では76.10ドルで取引されていました。