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国債利回り上昇
金融市場では、利上げへの警戒感が再燃しました。FRBによる翌年の利上げ示唆を受けて、先週の国債利回りが上昇しました。インフレ上昇の長引く兆しを背景に、今週も国債利回り上昇が継続しています。
現在、欧州と中国では、2つのエネルギー問題が同時に発生しています。欧州は、天然ガス不足による電力価格上昇に直面しています。中国では、石炭不足が電力供給に影響し、産業に大きな打撃を与えています。
中国の電力不足は、既に鈍化の兆しのある中国経済に悪影響を及ぼすだけでなく、生産不足を補う為の製造業者による価格上昇を引き起こし、中国のインフレ上昇は世界市場にも波及しています。インフレ長期化の兆しにより、国債の需要が再度増加し、利回りを押し上げました。
国債利回りが上昇すると、最も打撃を受けるのは、バリュエーションが上昇した株価、円、及びゴールドです。昨日、ハイテク銘柄が多いナスダック指数は、最も下落しました。ドル/円は上昇基調を継続しています。ゴールドは、予想外にも底堅く推移していますが、利上げ、及び利回りと米ドル上昇の環境では、上値が重くなるでしょう。
原油価格は数年ぶり高値を試す展開
石炭、及び天然ガスの供給問題により、一部の製造業者がエネルギー源を変更した為、原油価格が上昇したのは当然の流れでしょう。原油価格の変動は、インフレ見通しに大きく影響する為、金融政策にも影響を及ぼす可能性があります。
翌週のOPEC会合では、エネルギー問題緩和の為、増産が決定されるかに市場の注目が集まるでしょう。増産が決定されない場合、原油価格の一段の上昇に繋がる模様です。
依然として不安定な市場のリスクムード、及び米ドル高により、原油高はカナダドル上昇に繋がりませんでした。
パウエル議長の議会証言を控え、米ドルは底堅く推移
国債利回り上昇は米ドルを押し上げ、現在、米ドルは対ユーロで最近の高値を試す展開となっています。今後数年間は、ECBが利上げを実施する公算は小さい為、ユーロ圏国債利回りの上昇は限定的となる傾向があります。そのため、米国債利回りの上昇が加速し、ユーロ/ドルを押し下げました。
その他のニュースでは、2名の米地区連銀総裁が相次いで辞任を表明しました。ボストン連銀のローゼングレン総裁とダラス連銀のカプラン総裁は、パンデミック中に、株式取引を行っていたことが発覚していました。法に抵触していないものの、世論では利益相反の可能性が指摘され、批判が高まっていました。ボストン連銀のローゼングレン総裁は、翌年のFOMC政策会合で投票権を保有する予定だった為、後任の任命は重要になるでしょう。
本日には、中央銀行総裁の発言が多数予定されています。GMT12:00には、ラガルド総裁が発言予定で、GMT14:00には、パウエル議長の議会証言が予定されています。議会証言では、インフレ見通し、民主党のインフラ支出案と米経済への影響、及び債務上限問題が焦点となるでしょう。
債務上限問題には、常に市場の関心が集まりますが、市場への影響は限定的です。市場は、遅かれ早かれ、債務上限問題が解決されることを認識しています。