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中国恒大集団への懸念緩和で、株価は慎重に回復
昨日、中国恒大集団が23日に社債の利払いを実行すると発表し、デフォルト懸念の払拭に努めました。これを受けて、株価は概ね回復しました。しかしながら、同日に別途期限が来る米ドル建て社債の利払いについては、まだ対応は明らかになっていません。
中国恒大集団が社債利払いを一部実施する姿勢を示したため、市場の懸念が若干緩和しました。
祝日明けの中国株式市場は、市場の懸念緩和により、比較的静かな取引再開となりました。CSI300指数は0.7%下落して引けたものの、上海総合指数の終値は0.4%上昇しました。他のアジア株式市場も、強弱混合の動きとなりました。本日の日銀政策会合では、ハト派寄り見解が示された為、日経平均株価は下落して引けました。
一方で、米主要株価先物指数は上昇して推移し、欧州株式市場は昨日の上昇幅を拡大させています。
パウエル議長の発言とドットプロットに注目、米ドルは底額推移
中国恒大集団のデフォルト懸念については、明日まで大きな動きが見られない一方で、市場の関心は、FOMC政策会合に向けられるでしょう。数か月に及ぶFOMCメンバーのテーパリング協議の発言後、今回の政策会合でテーパリング時期が示唆される公算が高くなっています。
テーパリング決定は市場を大きく動かすことはないようですが、パウエル議長がテーパリング開始条件を設定する可能性を懸念しているようです。例えば、パウエル議長が米雇用統計の強い結果を条件として提示した場合、11月のテーパリング開始を完全に織り込むことはできません。
本日、国債利回りと米ドルは安定推移しています。米ドルインデックスも緩やかに上昇しています。市場のリスクムード改善にもかかわらず、FOMC会合でのタカ派的見解への期待を背景に、米ドルは底堅く推移しています。
中国恒大集団のデフォルト懸念緩和、及び日銀のハト派的見解により、円は下落しました。
記者会見においてパウエル議長が楽観的な見解を示した場合、早期テーパリング、及び早期利上げ観測が上昇し、市場ムードの変更に繋がるでしょう。
外国為替市場は静かな動き
中国恒大集団、及びFOMC政策会合への懸念により、リスク通貨の上値が重くなっているようです。昨日に、総選挙結果で上昇したカナダドルも下落し、その後0.1%上昇しました。
FOMC政策会合を控え、米ドルが様子見ムードとなる中、ユーロも横ばい推移となっています。中国の経済成長鈍化による欧州企業への影響が危惧され、ユーロの上値も重くなっています。
英経済の見通し悪化への懸念を背景に、ポンドも対米ドルで2%下落しました。冬の間、燃料及び食品の在庫不足に直面する可能性が、ポンド下落に繋がっています。
懸念が現実となり始めた場合、イングランド銀行はテーパリング計画を一時停止するでしょう。しかしながら、現在の所、テーパリング計画は継続し、明日のイングランド銀行の政策会合では、テーパリングが決定し、2022年前半での利上げが示唆される模様です。