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中国市場への懸念で株価急落、市場はリスクオフ
中国不動産市場のリスクへの警戒感により、今週の取引はリスクオフでのスタートとなりました。中国恒大集団のデフォルト懸念が意識され、中国恒大集団の株価が急落し、香港株式市場は約1年ぶり安値まで値を切り下げました。
オーストラリアでは、中国恒大集団の経営破綻危機への懸念が広がり、マイニング株の急落により、S&P/ASX 200の終値が2%以上値下がりしました。中国恒大集団が経営破綻した場合、既に鈍化の兆しが見られる建設業は危機に直面するでしょう。最近の豪ドルは、鉄鉱石価格の下落を受けて、下落基調が継続しています。中国市場での需要鈍化リスクは、豪ドルの見通しを一段と悪化させるでしょう。
直近での豪ドルは、対米ドルで約0.5%値下がりしました。米ドルインデックスは0.2%上昇し、4週ぶり高水準を更新しました。
中国恒大集団のデフォルト危機は、中国の「リーマン危機」となりつつあります。安全資産の需要増加を背景に、本日の円とスイスフランは全面高となっています。
中国恒大集団の経営破綻リスクは、世界市場にも影響する可能性
中国恒大集団が経営破綻した場合、現在の所、世界経済への影響、及び中国政府の支援は不透明ですが、米株式市場は既に警戒の動きが見られています。
先週金曜日、S&P 500は、2週連続で下落して引けました。本日、米主要株価のEミニ先物指数は、1%以上下落してのオープンを示しています。欧州株式市場は、一段の打撃を受け、独DAX指数は2.25%下落しました。
本日、中国市場、及び日本市場が休日により休場となっていますが、明日の再開時には、下落と一段と進む可能性があります。
世界の中央銀行が緊急買い入れ策の削減に向けて動き始めている中、中国市場への懸念がリスクオフの流れを一段と強めているようです。今週のFOMC政策会合では、テーパリングに向けた動きを示す公算が大きいでしょう。FOMCメンバーによる利上げ時期の2023年から2022年への前倒し観測も高まりつつあります。
ノルウェー中央銀行は、早くも今週木曜日に利上げに踏み切る可能性があります。木曜日には、イングランド銀行の政策会合も開催され、一段とタカ派寄りの見解が示される公算が大きいでしょう。
ポンド一段安、総選挙控えカナダドル下落
しかしながら、イングランド銀行がタカ派寄り見解を示しても、ポンド下落に歯止めがかからない可能性があります。先週金曜日の英8月小売売上高の脆弱な結果を受けて、ポンドは急落し、本日には対米ドルで1.37ドルを割り込み、4週ぶり安値を更新しました。イングランド銀行による早期利上げ観測の上昇にもかかわらず、ポンドの下落基調が継続しています。英国のEU離脱により、英国は他国よりも深刻な労働者不足、及びサプライチェーン問題に直面することが懸念されています。労働者不足、及びサプライチェーン問題は、インフレ上昇と経済成長鈍化に繋がっています。したがって、イングランド銀行がFRBよりも先に利上げに踏み切っても、ポンド上昇は限定的となる可能性があります。
本日には、カナダ総選挙が実施される為、カナダドルも下落し、対米ドルで1.2810カナダドル付近まで下落しました。直近の世論調査によりますと、単独過半数を獲得できる党はなく、トルドー首相が政権維持をできるかが焦点になります。トルドー首相が政権を維持できた場合、カナダドルが大幅に上昇するでしょう。