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米ドルは底堅く推移
米ドルはネガティブなニュースには反応せず、底堅く推移しています。米8月消費者物価指数のコア指数は予想外に低下し、前年同月比4.0%増となりました。指標結果は、インフレ上昇がピークに達したことを裏付け、翌週のFOMC会合でのテーパリング発表の可能性は消失しました。
消費者物価指数発表後の米ドルは、国債利回り低下の影響も受けて、一時的に下落しました。その後、米株価上昇、及び市場のリスクオフの流れを受けて、米ドルは上昇に転じました。
債券市場が反応したものの、消費者物価指数の結果を詳細に確認すると、さほど弱い結果ではありませんでした。物価上昇圧力に鈍化が見られたのは、FRBがあまり重視しない中古車、ホテル、及び航空運賃でした。一方で、アパレル、及びスポーツ用品等の物価は力強い上昇が見られます。
米ドルの長期的な見通しは、依然として明るいでしょう。サプライチェーン問題の長期化による、インフレ上昇は翌年まで主要な関心となるでしょう。しかしながら、労働市場はほぼ完全に回復しつつあり、消費も回復し、住宅市場の需要も増加しています。更に、米議会は追加財政刺激策の承認に向けて動いています。最も重要なことは、米ドルは、株式市場でのトラブルの打撃を受けないことです。
米株価の上昇一服
米消費者物価指数の低調な結果は、FRBの早期テーパリング観測を後退させるにもかかわらず、昨日の米株価は再度下落に転じました。
S&P 500は0.6%下落したものの、最高値水準を僅か2%下回る付近を維持しています。したがって、株価調整の動きとは判断はできないでしょう。注目に値するのは、S&P 500は50日平均線で再び跳ね返されて、株高の流れでテクニカル上の抵抗線が強力なバリアとなったことでしょう。
今回の株価下落の要因は、不透明です。増税、及び中央銀行による流動性供給の削減への警戒感、或いは中国の経済成長失速リスクが影響した可能性があります。中国では、経済成長鈍化の兆しが見られる中、政府による民間企業への規制強化が進められています。予想外にも、世界市場はリスクに大きく反応せず、現在の所、底堅く推移しています。
中国第2位の不動産開発会社である中国恒大集団が経営破綻の危機に直面し、最近の経済指標結果では経済成長鈍化が浮き彫りになっています。中国8月小売売上高、及び中国8月鉱工業生産は、脆弱な結果となっています。中国企業の債務問題は深刻化し、刺激策だけでは解決できない模様です。
ゴールド回復、カナダドルに注目
インフレ上昇鈍化の恩恵を最も受けたのは、ゴールドでした。昨日の国債利回り低下を受けて、ゴールドは上昇しました。テーパリング時期の先延ばしは、ゴールドにとってポジティブな要因ですが、市場全体の流れが変わったわけではありません。
本日には、カナダ8月消費者物価指数が発表されます。しかしながら、カナダドル相場に影響を及ぼすには、経済指標ではなく、総選挙になるでしょう。カナダのトルドー首相は、高いワクチン接種率による経済回復に期待して総選挙に踏み切りました。しかしながら、世論調査での支持率低下が浮き彫りになり、トルドー首相は苦戦を強いられています。
カナダ中央銀行は翌年の利上げを予定している為、外国為替市場によっては、財政刺激策を掲げるトルドー首相の再選が望ましいでしょう。