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米8月消費者物価指数に注目
11月テーパリングが確実視されつつある中、翌週のFOMC政策会合でパウエル議長が11月テーパリングに言及するかに注目が集まっています。本日に発表される米8月消費者物価指数の結果は、11月テーパリングへの言及にも影響するでしょう。
米8月消費者物価指数、及びコアの消費者物価指数は、それぞれ前年比5.3%増、及び4.2%増が予想されています。8月生産者物価指数は一段と増加し、マークイットPMI指数はサプライチェーン問題の深刻化を浮き彫りにする一方で、米8月ISM製造業景況指数はコスト上昇鈍化の兆しを示しました。したがって、消費者物価指数を取り巻くリスクは、均衡を保っているようです。
FRBにとっての不確定要素は、物価上昇圧力がビジネス再開に影響する産業内に留まっているか、或いはビジネス再開に影響する産業以外にも影響しているか次第となります。
インフレ上昇の長期化の兆しは、早期テーパリングに繋がる為、米ドル上昇の要因となるでしょう。その一方で、ゴールドの下落要因となります。
しかしながら、テーパリング開始時期は、短期的な見通しに影響するものの、長期的な見通しへの影響は限定的でしょう。外国為替市場にとって重要なことは、翌年に利上げが実施されるかです。米議会で追加財政刺激策が承認され、インフレ上昇が長期化すると、翌年の利上げ実施は現実的となるでしょう。
米株価安定、米ドル下落
昨日の米株式市場は、強弱混合の動きとなりました。ダウ工業株は0.8%上昇し、ハイテク銘柄の多いナスダック指数は、若干下落して引けました。S&P 500は、0.2%値上がりし、最近の下落を回復させました。
低金利政策により、バリュー株よりもグロース株の買いが優勢となり、最近の上昇幅の乖離は一段と広がっています。このような動きは、バリュエーションが既に上昇し、量的緩和縮小、及び法人税引き上げ等のリスクがある場合に起こる典型的なローテンションです。
コモディティ市場では、ハリケーン、ニコラスのテキサス湾岸上陸により、原油価格が6週ぶり高値まで急騰しました。自然災害による原油価格への影響は長続きはしませんが、2つのハリケーンが連続して上陸した為、通常よりも市場への影響が大きくなっています。
米ドル高一服、豪中銀総裁の発言で豪ドル下落
外国為替市場は、比較的静かな動きとなりました。株式市場のムードが改善し、株高の流れが一服している為、米ドルは最近の上昇幅を失いました。米ドルの短期的な動きは、本日の米8月消費者物価指数の結果次第となるでしょう。
英雇用統計の堅調な結果により、ポンドは上昇しました。英8月失業率は4.6%まで改善しました。その一方で、賃金上昇には鈍化の兆しが見られたものの、高水準を維持しています。一時帰休支援プログラムの今月末での終了により、一時的な失業率上昇のリスクもありますが、求人率上昇は失業率上昇が継続しないことを示しています。
最後に、オーストラリア準備銀行のロウ総裁が2024年まで政策金利を据え置く方針を改めて表明した後、豪ドルが急落しました。更に、中国恒大の株価急落、及びデフォルト時の影響に警戒が高まっています。