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市場の混乱は落ち着いたものの、FRBが混乱に直面する可能性
先週に荒い値動きとなった市場では、金曜日の米株価の一段の上昇を受けて、本日の市場ムードは若干明るくなりました。デルタ変異株の感染拡大による経済への懸念が根強く残っているものの、押し目買いのトレーダーにより、株式市場は底堅く推移しています。流動性供給が続く場合、押し目買いの動きも継続するでしょう。
先週金曜日に、早期テーパリングを支持するFRBメンバーの一人が、ハト派的見解を示したことにより、押し目買いの流れを後押ししました。ダラス連銀のカプラン総裁は、フォックス・ビジネス・ネットワークへのインタビューにおいて、デルタ変異株の感染拡大による米経済への実施的な影響が見られるようになった場合、テーパリング開始時期を修正する必要性を示唆しました。
過去数週間、カプラン総裁は、9月テーパリングを明確に指示するFRBメンバーの一人でした。米国内でのデルタ変異株の感染拡大への警戒感が一段と強まる兆しが見られる中、FRBのタカ派的トーンが後退する可能性があります。
市場が待ちわびるジャクソンホール会議は、既にオンラインでの開催への変更を余儀なくされた為、最近の感染拡大への言及は避けられないでしょう。更に重要なことは、オンラインでの開催となった為、テーパリングの時期や規模について合意に至らない可能性があり、リスクオンの追い風となるでしょう。
米株価は一段高の可能性、アジア株価は回復の兆し
先週金曜日のS&P 500、及びナスダック指数は、二日連続での上昇となりました。株高の流れを受けて、本日の米主要株価先物指数は約0.2%上昇して推移しています。アジア市場の株高の流れが追い風となり、欧州株価も上昇して推移しています。特に中国、及び日本の株式市場の回復が顕著でした。
過去数週間、デルタ変異株の感染拡大、及び中国政府による大手ハイテク企業への規制強化により、アジア株式市場は下落基調となっていました。アフガニスタン情勢の不透明感も、下振れリスクを強めました。しかしながら、本日には明るいニュースがありました。中国政府が7月以来初めて新規感染者数がゼロとなったことを明らかにしました。これにより、感染拡大に鈍化の兆しが示されつつあるようです。
一方、ニュージーランドでは、ロックダウンが今週金曜日まで延長されました。多数のリスク要因が市場を取り巻く中、市場は、中国のロックダウン規制による世界のサプライチェーンの負担軽減、及びジャクソンホール会議でFRBがタカ派的見解とならない可能性等のポジティブな要因を材料視しているようです。
米ドル下落、カナダドル上昇、ポンド低迷
リスクオフ後退により、本日の米ドルは下落しました。円、及びスイスフランも値上がりしました。先週金曜日には9か月半ぶり高水準まで上昇した米ドルインデックスは、本日には約0.3%低下しました。
今週は始まったばかりの為、米ドル高が一服したかを判断するには時期尚早でしょう。市場のリスクムード回復が継続した場合、米ドル回復の唯一要因は、ジャクソンホール会議での明確なテーパリング発表となるでしょう。
本日は、米ドル安の流れにより、コモディティ通貨が回復しました。ユーロとポンドは、若干下落しています。原油価格上昇も追い風となり、最も上昇した通貨はカナダドルで、対米ドルで約0.6%値上がりしました。本日、中国の新規感染者数がゼロとなったことにより、銅の価格も上昇しました。
カナダドルの次に堅調推移した通貨は、豪ドルとNZドルで、それぞれ0.5%と0.35%上昇しました。ユーロは若干低調なスタートとなったものの、ユーロ圏8月PMIが市場予想通りの結果となった為、ユーロ/ドルは1.71ドル台まで回復しました。一方のポンドは、英8月マークイットPMIの脆弱な結果により、下落基調を継続しました。
本日に発表される米PMI指数には、市場の注目が集まるでしょう。