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中国経済は回復、しかしながら国内消費の鈍化に市場が懸念
V字回復に関して、新型コロナウイルスからの中国経済の回復は、V字以上になる可能性があります。第1四半期GDPの前期比約10%の減少後、第2四半期GDPは前期比11.5%以上の増加となりました。前年比も、市場予想の2.5%増に対して、3.2%増になりました。
経済指標の強い結果に反応するよりも、市場はようやく現実に目を向け始めたようです。経済回復への道程は、スムーズではないことが浮き彫りになりつつあります。今までは、複数の国での新規感染者数増加は、経済回復への期待を後退させていませんでした。しかしながら、中国国内での需要回復の緩やかなスピードが浮き彫りになり、経済回復への期待が大きく後退しました。中国6月小売売上高は、5か月連続での下落となりました。これにより、消費者心理が、新型コロナウイルス危機前の水準まで回復していないことが浮き彫りになりました。
中国は、他国よりも回復できる経済力があり、新たな感染者数増加も阻止しています。中国国内でさえも、消費が素早く回復していないことにより、今後の経済成長に疑問が浮上しています。特に、今でも感染拡大に直面している国々での経済回復が一層懸念されます。
米国内の新規感染者数は、警戒するスピードで増加しています。経済封鎖に逆戻りする州も増えています。複数のFRBメンバーが米経済回復のスピードに慎重な見解を示し、ようやく市場もFRBの警戒を意識し始めたようです。
ナスダックは再度下落、S&P500の終値は年初来の下げ幅を回復
昨日のナスダック指数は、再度荒い値動きとなったものの、0.6%上昇して引けました。ナスダック指数の上昇により、S&P500も上昇し、年初来の下げ幅の殆どを回復しました。本日には、市場開始前に、バンクオブアメリカ、及びモーガンスタンレー等の銀行が決算を発表します。ネットフリックスの決算が好調な結果となった場合、ナスダック指数が一段と上昇する可能性があります。
アジアでは、中国株式市場が最も大幅に下落しました。株安の要因として、中国当局による取り締まり強化、小売売上高の脆弱な結果、及び米中摩擦が考えられます。
米中摩擦継続
トランプ大統領は、中国共産党員の米国への入国禁止を検討しています。トランプ政権は、TikTokやWeChat等の中国系ソーシャルメディアへの懸念を強めています。
米中関係悪化にもかかわらず、市場の反応は、依然として限定的です。ゴールドも殆ど反応していません。当面の間、ワクチン開発のポジティブなニュースがリスクオフの流れを回避するでしょう。直近でのゴールドは、米ドル高の影響を受けて、0.4%下落して推移していました。
米ドル高の流れ継続
欧州セッション開始時の米ドルは、対主要通貨で、前半の上昇から下落に転じました。本日の米ドルのリスク材料は、米小売売上高になり、5月の回復が6月でも継続しているかに注目が集まるでしょう。
本日は、ECB政策会合を控え、ユーロ/ドルは1.14ドル付近で推移しています。現行政策の据え置きが予想されていますが、EUの救済基金合意への協議を控え、ECBにユーロ圏経済を支援するための意欲的な姿勢が見られるかが注目されるでしょう。
豪雇用統計の強い結果にもかかわらず、ヴィクトリア州の新規感染者数増加が材料視され、豪ドルが最も軟調推移した通貨の一つとなりました。昨日、カナダ中央銀行が追加緩和の可能性を明確に示さなかったことにより、カナダドルは上昇しました。しかしながら、本日は昨日の上昇幅の一部を失いました。