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異なる見通しにより、本日の市場は若干回復
昨日の金融市場では、経済回復期待への懸念が再度浮上し、投資家がリスク資産の決済に動いた為、米株価は下落し、米ドル等の安全資産は上昇しました。米国では、人口密度の高い州が相次いで経済再開を停止し、昨日にニューヨーク連銀が発表した指標では、経済成長の鈍化が浮き彫りになりました。
FRBメンバーも、見通し悪化の見解を示しました。アトランタ連銀のボスティック総裁とクリーヴランド連銀のメスター総裁は共に、経済は回復よりも、後退に向かっているとの認識を明らかにしました。四半期決算の悪化見通し、及び米議会での追加刺激策が協議される中、7月の経済指標は悪化した結果となることが予測されます。
しかしながら、本日の市場ムードは若干回復を見せました。新規感染者数の増加にもかかわらず、死亡者数が増加していないことから、米ドルは若干下落し、株価が回復しました。完全な閉鎖措置への逆戻りの可能性を見極める為、今後の感染拡大、及びFRBによる追加刺激策は市場の注目を集めるでしょう。
死亡者数が急増しない原因として、感染者数が主に若い世代であること、医療機関の対応に改善が見られること、夏場は死亡率が低い可能性が考えられます。死亡者数が急増していることから、市場は経済回復の阻止ではなく、遅延と見なしているようです。
ポンド再度上昇
昨日、G10通貨中、最も上昇したのはポンドでした。EU離脱交渉に関するポジティブなニュース、及び追加財政刺激策の観測により、ポンド買いの圧力が強まりました。昨日のEU離脱協議では、双方に歩み寄りの姿勢が見られ、漁業権等の重要課題でEU側の譲歩の可能性も報じられています。
本日には、スナック英財務相による最新の予算や景気刺激策の発表も予測されていおり、市場の注目を集めるでしょう。
景気刺激策はポジティブな要因にはなりますが、ポンド相場の大局的な流れを変えるかは不透明です。
米ドル高にもかかわらず、ゴールドは一段と上昇し、最高値更新も視野に
昨日、最も際立った動きを見せたのはゴールドでした。米ドル高の流れにもかかわらず、昨日のゴールドは、2011年以来の高値まで急騰しました。米ドル高の流れの場合、米ドル以外を使用する投資家にとって、ゴールドは割高となり、通常はゴールドの需要は大きく増加しない傾向があります。
したがって、昨日のゴールド上昇は、米ドルが原因ではなく、ゴールドの需要増加によるものです。景気の先行き不透明感が上昇し、財政赤字の増加、及び長期的な低金利の見通しにより、ゴールドの今後の見通しは明るく、一段と上昇する可能性があるでしょう。