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米雇用統計発表待ちで、米ドル下落
昨日の市場は、ほぼ様子見ムードとなりました。経済指標の好調な結果、及び新型コロナウイルスのワクチン開発のニュースにより、新型コロナウイルス危機からの力強い回復への期待が市場では根強く残っています。しかしながら、今週金曜日は独立記念日によって米市場が閉場となる為、明日に米雇用統計が発表されます。結果次第では、リスクオンの流れを変える可能性もあります。
米6月非農業部門雇用者数は300万人増が予想されおり、失業率は12.3%まで改善する模様です。予想通りの結果となった場合、V字回復への期待を後押しするでしょう。先週から昨日までに発表された米経済指標は、強い結果となっています。昨日に発表された米6月製造業PMIは、4か月ぶりに50越えとなりました。
しかしながら、新型コロナウイルスの感染が拡大する中、雇用統計の予測は困難になりつつあります。昨日に発表された米6月ADP全国雇用者数は、市場予想の300万人に対して、236万人でした。新規感染者数増加により、先月から米国内の複数の州が経済再開を一部停止し始めたことから、米雇用統計の結果が予想を大きく下回るリスクもあります。
米6月非農業部門雇用者数が予想を下回る結果となった場合の米ドルの動きに、市場が注目するでしょう。現在まで、米ドルは米経済指標が脆弱なった場合でも上昇し、安全資産の動きを見せています。しかしながら、世界が経済回復に向かう中、米国のみが閉鎖措置のリスクに直面した場合、米ドルはどのように動くでしょうか?本日の米雇用統計の結果が、米ドルの安全資産としての地位を明らかにするでしょう。
第二波への懸念よりも、経済回復とワクチンへの期待を市場は材料視
米雇用統計発表を控え、米ドルインデックスは低下し、97を試す展開となっています。円も対主要通貨で下落し、ゴールドも大幅に下落しました。昨日に7年半ぶり高値1788.96ドルまで急騰したゴールドは、直近では1764ドルまで急落しました。
世界各地の中央銀行による大規模な財政刺激策への期待が、第2波、及び経済回復の長期化への懸念を緩和させるでしょう。更に、市場では、2021年までのワクチンの実用化への期待が根強く残っています。初期治験の好調な結果のニュースが定期的にあることも、市場でのワクチン実用化への期待を上昇させています。
ファイザー製薬の初期治験結果では、新型コロナウイルスから回復した患者を超える水準の抗体が確認できました。ワクチンの安全性を判断するには時期尚早ですが、昨日のナスダック指数の終値は最高値を更新しました。
本日のアジアと欧州株式市場は、昨日の米株式市場の株高の流れを引き継いだものの、最近のレンジ幅内で推移しました。中国株式市場は例外で、中国政府により大規模な刺激策により、CSI300は2年半ぶり高値まで急騰しました。
米中関係が悪化する中で、中国株式市場は上昇しました。米国と中国は、貿易問題と、香港国家安全法や人権問題は別問題として捉えている為、第一段階合意への影響はないと市場が見ないしていることも、中国の株高に繋がったようです。
NZドル上昇、カナダドル下落
米ドル安の流れにより、ユーロとポンドは上昇しました。NZドルは対米ドルで0.5%上昇し、最も堅調推移した通貨でした。一方で、カナダドルは下落しました。カナダは米国に貿易で大きく依存している為、米国内の新規感染者数増加がカナダドル下落に繋がりました。
過去数日間、オーストラリアと東京でも新規感染者数の大幅な増加が見られ、第二波のリスクが大きくなりつつあります。