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感染者拡大で、米株式市場下落
第2四半期の終了を間近に控え、世界の各地で第2波への懸念が強まり、市場はリスクの流れが強まっています。先週金曜日の米株式市場での株安の流れを引き継ぎ、本日のアジア株式市場も株安となりました。
市場が経済のV字回復を疑問視し始めた為、6月前半から米株式市場は、下落基調となりました。中国、日本、ドイツ、及びオーストラリアでの新規感染者数が増加し、第2波への懸念が強まっているものの、感染拡大が阻止できている状態のようです。したがって、経済回復への最大のリスクは、米国内の新規感染者数の急増でしょう。
先週金曜日、米国での新規感染者数は、三日連続で過去最多を記録しました。新規感染者数が急増したテキサス州やフロリダ州では、バーが閉鎖され、経済再開活動が一部見直されることになりました。
感染拡大のホットスポットが発生した州では、閉鎖措置のリスクが急速に高まっており、V字回復が期待された数週間前の状況から一変しました。
市場はパニックにはならず、安全資産下落
欧州セッション開始時の米主要株価先物指数は安定して推移し、市場ではパニックは見られず、安全資産は下落しました。現在の所、市場での売り圧力が強まっていないことから、状況が悪化した場合、中央銀行が追加の刺激策に講じると市場は見なしているようです。先週末と本日には、ワクチン開発へのポジティブなニュースが報じられたことも、リスクオフの流れを後退させました。
安全資産の円と米ドルは、前半の上昇幅を失い、ゴールドも下落しました。
しかしながら、本日と明日は、四半期末のポートフォリオのリバランスによって、市場が動く可能性があります。短期間に急増した米株価は、ポートフォリオのリバランスの影響を最も受けやすいでしょう。資金が債権よりも、欧州株価に流れた場合、ユーロが主要な恩恵を受けるでしょう。
直近のユーロは対米ドルで0.25%上昇し、1.12ドル台を超えて推移し、他の主要通貨でも上昇しました。豪ドルも上昇しましたが、米ドルは対主要通貨で若干下落しました。
EU離脱交渉再開で、ポンドは一段と上昇
本日、ポンドも対米ドルで上昇しましたが、先週金曜日に記録した1か月ぶり安値1.2312ドル付近での小幅な値動きとなりました。今週、英国とEUの離脱交渉は、重要な局面に入ります。双方は重要課題における膠着状態打開に向けて、一層前向きに協議する模様です。
協議再開は解決に向けての前進が期待されますが、実質的な成果が得られるかが注目されるでしょう。今後数週間は、EU離脱に関するニュースがポンドやユーロ/ポンドを動かすでしょう。