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第2波への懸念と経済回復への疑問で、市場はリスクオフ
株式市場が上昇勢いを失い、横ばい推移となっていることから、リスクオンムード終了も時間の問題のようです。世界の株式市場は、昨日の下落から僅かに回復しました。ゴールドは、米国内の感染者数増加への懸念により、上昇しました。今週、米国の9つの州で、一日の感染者数が過去最多となり、経済再開の危機に直面しています。
昨日の発表された米週次新規失業保険申請数の脆弱な結果も、経済回復を疑問視する新たな材料となりました。新規失業保険申請件数は減少しています。しかしながら、減少スピードは緩やかな為、閉鎖措置緩和による初期の影響は薄れ始め、回復への道のりは長いことが浮き彫りになっています。
一方で良いニュースもありました。中国政府は北京市内の感染拡大が阻止できたことを明らかにし、東京では一部の大規模なイベントを除き、全ての業種に対しての規制が解除されました。
強弱混合のニュースにより、本日の株式市場の動きに注目が集まるでしょう。本日はS&P500ミニ先物取引は、0.5%上昇してのスタートを示しています。本日には期日を迎える取引があり、USセッション後半の株式市場は大きな動きになる可能性もあります。
市場での楽観的観測は根強く継続
最近の経済指標の脆弱な結果にもかかわらず、年内のワクチン開発によって、感染拡大から経済が回復する楽観的観測が市場には根強く残っているようです。
年内にワクチンが開発され、経済が回復しても、米中対立等の市場が織り込んでいない多くのリスクがあります。今週にハワイで開催される米中協議は、特に実りのある結果は期待できないようです。トランプ大統領は、ツイッター上で、「中国との経済断絶」が選択肢として残っていることを発言しています。
トランプ大統領の発言は、安全資産のゴールドを上昇させ、ゴールドは0.5%値上がりしました。
米ドルと円は、より明確なトレンドが見えました。株高一服により、今週火曜日から米ドルと円は上昇基調となっています。しかしながら、米主要株価指数は今週は上昇して取引を終了する模様です。
英中銀の政策結果でポンド下落、ユーロドルは1.12ドルを試す展開
リスクオフムード後退は、ユーロやポンドだけでなく、コモディティ通貨の上値を重くしています。ユーロ圏救済策の7月までの合意は困難な見通しとなり、ユーロ/ドルは、1.12ドル付近を推移しています。今週の豪ドルも下落し、本日前半の豪5月小売売上高の結果により若干回復しました。
しかしながら、市場をサプライズさせた動きはポンドでしょう。昨日のイングランド銀行の政策会合では、タカ派的見解が示され、ポンドは大幅に下落しました。市場の予想通り、イングランド銀行は、債券買い入れ枠の1000億ポンド拡大を発表しました。しかしながら、チーフエコノミストのホールデン氏が買い入れ枠の維持を主張したことは、市場にとってサプライズとなりました。しかしながら、市場にとってより大きな懸念材料となったのは、1000億ポンド拡大の年末まで継続が声明文で明らかにされたことです。これにより、8月の政策会合時での追加緩和の可能性が後退しました。
昨日のポンド/ドルが1.24ドルに向けて下落したことからも、市場は英経済が一段と支援を必要としていると判断しているようです。本日に発表される英5月小売売上高が好調な結果になっても、ポンドを一時的に安定させるに過ぎないでしょう。更に、最近のポンド下落の背景には、EU離脱懸念もあることを留意しておく必要があるでしょう。