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第2波への懸念で、リスクオンの流れ後退
世界の複数国での新型コロナウイルス感染者数増加により、市場のリスクオンムードが後退しました。過去数日間、米国の6つの州での新型コロナウイルス感染者数が過去最高水準となりました。北京市内での感染拡大阻止のため、北京市当局は数百便以上の運行をキャンセルしました。
東京、及び中東の多数の国でも、新型コロナウイルス感染者数が増加しており、第2波は阻止できない懸念が大きくなりつつあります。感染者数が再度増加しても、閉鎖措置の可能性は示唆されていません。しかしながら、第2波の可能性はV字回復に影響を及ぼす為、投資家心理にも影響が出始めたようです。
ソーシャルディスタンスにより、世界各地の消費が新型コロナウイルス以前の水準に戻る兆しが見られない為、第2波が発生しなくても、迅速、且つ力強い回復への可能性は低いでしょう。
米ドルと円は上昇;株価上昇の勢い失速
パウエル議長の二日目の議会証言でも、経済回復に時間がかかる見通しが改めて強調された為、市場も遂に織り込み始めたようです。昨日の米株式市場の終値は下落し、本日の米主要株価先物指数は、一段と下落してのオープンを示しています。
米小売売上高が前月比で過去最高水準の回復を記録した時に、株高が一服したことは、今後の見通しにやや慎重になり、一段と持ち高を増やす前に経済回復の十分な証拠を必要とする投資家心理を反映した模様です。
外国為替市場も慎重ムードとなり、本日は若干下落したものの、過去二日間の米ドルはほぼ全面高となっています。一方の円は、対主要通貨で下落基調となり、ユーロ/円は2週ぶり安値となりました。
ユーロは対米ドルで下落しました。明日の会合では、EU加盟国の首脳が救済基金に合意する可能性が疑問視し始められています。合意の見送りは、救済基金の内容における加盟国間の意見の隔たりを示し、救済金は規模が小さく、緊急性に欠ける対応策になるでしょう。
ポンドは英中銀の政策発表待ち;脆弱な経済指標結果で豪ドルとNZドル下落
リスクオフムードにより、ポンドの上値を重くなりましたが、対米ドルで1.25ドル台を維持しました。GMT1100には、イングランド銀行の金融政策が発表されます。英経済は新型コロナウイルスに大きな影響を受ける為、イングランド銀行による1000憶ポンドの資産買い入れ枠拡大が予測されています。
本日、スイス国立銀行は政策金利の据え置きを発表しました。3月以来、大きな動きとなっていたスイスフランは、本日は横ばい推移となりました。
経済指標の脆弱な結果により、本日の豪ドルとNZドルは下落しました。豪5月失業率は予想よりも悪化し、豪労働市場の迅速な回復への期待は後退しました。NZ第1四半期GDPは、市場予想を下回り、ニュージーランド準備銀行のハト派的見解を裏付けました。
世界経済回復への期待が揺らぎつつある中、本日に発表される米週次新規失業保険申請数は、市場の注目を集めるでしょう。