デイリーマーケットコメントーFOMC政策発表控えナスダック指数上昇、米ドル下落

投稿日: 2020年6月10日18時35分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog
  • 本日のFOMC政策会合では現行政策の据え置きの見通し、しかしながら今後の見通しはリスクオンの流れに影響
  • FOMC政策発表控え、米ドルは一段安、ナスダック指数は最高値更新
  • 米ドル安により、ユーロ、ポンド、スイスフラン、及びコモディティ通貨上昇
  • ECB副総裁、英中銀総裁、及びバルニエEU交渉官の発言予定

FOMC政策発表控え、市場は小休止

慎重ムードにつながるニュースがない中、大幅な上昇が利益確定売りに繋がり、昨日のリスクオンの流れは若干緩和されました。大きく上昇したカナダドル、豪ドル、及びNZドル等のコモディティ通貨は、下落基調の米ドルに対しても値下がりしました。本日にはFOMCの政策発表を控え、株式市場でも調整の動きが見られ、最近の高値から下落しました。

本日には、リスクオンの流れも再度回復し、コモディティ通貨も再び上昇しています。安全資産の米ドルも、再度下落に転じました。米主要株価先物指数は、緩やかに上昇してのオープンを示しています。したがって、市場の楽観的ムードは継続するようです。

今後の流れは、FRBの方針次第

市場の楽観的ムードの継続は、FRBの政策次第になるでしょう。FRBによる異例の財政刺激策は、危機の悪化の回避に繋がった兆しも見られ始めていることから、本日には新たな政策の発表は予測されていません。したがって、市場の関心は、低金利の継続期間、イールドカーブコントロール実施の可能性、及び最新の経済見通しに向けられるでしょう。

先週の米雇用統計の予想を上回る結果により、FRBが今後一段の刺激策を実施しない観測も浮上しています。しかしながら、現時点で刺激策の可能性を排除することは、時期尚早でしょう。FRBは経済見通しには市場ほどの楽観的見解を示しておらず、回復まで時間がかかる可能性を何度も強調しています。インフレリスクがない中、FRBが早期に方針を転換して、今までの努力を台無しにするとは考えられない為、刺激策の早期終了の公算は低いでしょう。したがって、FRBは一つの経済指標結果で方針を変更するのではなく、回復の明確な証拠が得られるまでは、超ハト派的政策を維持するでしょう。

低金利の継続、及びイールドカーブコントロールの検討の示唆は、株価の一段の上昇と米ドルの一段の下落に繋がるでしょう。反対に、低金利の継続やイールドカーブコントロールの検討が示されなかった場合、株安や米ドル高になるでしょう。

複数のチャートは、ブレークアウトや跳ね返し待ち

昨日、市場全体のリスクオフの流れにもかかわらず、ナスダック指数は0.3%値上がりし、最高値を更新しました。本日もナスダック指数は、上昇してオープンする見通しです。ナスダック指数の上昇の背景には、アップルやアマゾン等の大手ハイテク企業の株価上昇があります。

S&P500も同様に上昇基調を継続しています。チャート上で、主要なレジスタンス水準やサポート水準まで近づいた時、相場転換はイベント次第となり、本日のイベントはFOMC政策会合になるでしょう。

外国為替市場では、米ドル安により、ユーロ、円、ポンド、スイスフラン、及びコモディティ通貨等の全ての通貨が上昇しました。特にコモディティ通貨は、数週間、或いは数か月ぶり高値付近で推移しています。

本日には、GMT1830のパウエル議長の記者会見に加えて、GMT1230のイングランド銀行のバーリー総裁の発言、GMT1300のバルニエEU交渉官の発言、及びGMT1330のデギンドスECB副総裁の発言も予定されています。