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株高一服で米ドル回復
過去1週間は、経済回復期待によりリスク資産が上昇し、米ドルは下落していました。しかしながら、本日は、アジア株式市場が強弱混合の動きとなり、米主要株価先物指数が下落しました。これにより、米ドルが回復し、欧州取引時間の開始時の米ドルインデックスは約0.25%上昇しました。
本日の米主要株価先物指数は下落してのスタートを示していますが、5月中旬以来の株高の流れによる利益確定売りの動きのようです。米中関係悪化の目新しい材料はなく、米国のデモ活動がより平和的なデモ活動となり、最近の経済指標結果が経済回復を示していることから、リスクオンの流れは継続する模様です。
米国内の失業者数が数百万人を超えているにもかかわらず、ナスダック指数は、最高値付近まで上昇し、S&P500は3月以来初めて3100台越えを達成しました。経済の流れに変化の兆しが見られます。昨日に発表された米5月ADP全国雇用者数は、予想を上回る好調な結果となり、今週金曜日に発表される米雇用統計もポジティブな結果が期待できます。米5月ISMサービス業PMIも予想を上回る結果となりました。
ドイツやオーストラリアを含む複数の国が追加財政刺激策を公表したことも、ポジティブな経済見通しの要因となっているようです。しかしながら、米国の追加刺激策公表には、もう少し時間がかかるでしょう。
ECBの追加刺激策待ちで、ユーロは様子見ムード
次に追加刺激策を公表するのは、ユーロ圏になります。ユーロ圏周縁国の国債利回りが上昇し、本日にはECBが新型コロナウイルスの緊急買い入れ枠拡大を公表する予定です。ユーロ圏経済の見通し改善に繋がる為、対米ドルで1.12ドル台越えを回復したユーロにとって、追加刺激策は追い風となるでしょう。
しかしながら、ECBによる買い入れ枠拡大が5000億ユーロを下回るリスクや、EUで救済策が決定されるまで買い入れ枠拡大は先延ばしされる可能性もあります。この場合、最近上昇していたユーロや欧州株式市場の下落に繋がるでしょう。
イングランド銀行が英国内の銀行に合意なき離脱に備えるように通達したことが報じられ、ポンド/ドルは1.26台から急落しました。市場は明日に終了する英国とEUの離脱交渉を注視するでしょう。
OPECプラスによる加盟国への最終通達で、原油価格下落
OPECプラス会合での減産延長が合意されないリスクが材料視され、本日の原油価格は3か月ぶり高値の水準から下落しました。WTI原油先物とブレント原油先物は、1.8%下落しました。
ロイター通信によりますと、サウジアラビアとロシアは1か月の減産延長に合意した模様です。ナイジェリアやイラク等の減産を順守しなかった国がある中、減産順守の条件付き合意となるようです。
減産延長が合意しないリスクにより、カナダドルの上値を重くなっています。昨日、カナダ中央銀行は、新型コロナウイルスによる影響はピークを過ぎたと発言したにもかかわらず、カナダドルの上昇に繋がりませんでした。