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米中関係は一段の悪化
本日に予定されているトランプ大統領の記者会見では、香港への国家安全法導入を受けて、対中制裁の発表が予定されています。昨日、中国政府は、香港の高度な自治の崩壊に繋がる国家安全法の制定を採択しました。そのため、本日の市場は様子見ムードとなっています。
ポンペオ米国務長官は、国家安全法は、香港に米国との特別な地位を失わせることになると既に警告しました。更に、トランプ大統領による対中制裁の観測が高まっています。現在、米国と中国は、第一段階の通商合意の維持に努めているだけでなく、米国は新型コロナウイルスの世界的感染拡大で中国側の対応を非難しています。そのような時期に、米国が中国に対して強硬な政策を決定した場合、二国間の関係が一段と緊迫化するリスクがあります。
5月最後の取引日となった本日、市場の慎重ムードにより、アジア株式市場は全面安で引けました。米国と欧州の株価先物指数も下落してのオープンを示しています。しかしながら、経済再開による経済回復への期待が安全資産の需要を増加させている為、株価は依然として大きく上昇して今月の取引を終える模様です。
市場の下落幅が限定的なことから、トランプ大統領が、香港の米国からの優遇措置の完全撤廃等の厳しい対応を決定しないと市場は見なしているようです。おそらく、対中政策は、中国政府関係者のビサ発給制限、及び資産凍結に留まるようです。
リスクオフで円上昇、FRBの新たな方針の可能性で米ドル下落
トランプ大統領による対中制裁がどれくらい厳しい内容になるかが疑問視される中、安全資産の反応は限定的でした。安全資産では、円が最も恩恵を受けて、対米ドルで約0.5%値上がりしました。米ドルは、対主要通貨で2か月半ぶり安値まで急落しました。スイスフランは強弱混合の値動きとなりました。ゴールドは、比較的堅調推移となりました。
リスクオフの流れにもかかわらず、米ドルが対ポンドや豪ドルでも下落した要因は、次の対応策としてFRBがイールドカーブ・コントロールに着手する可能性が浮上していることです。昨日、ニューヨーク連銀のウィリアムス総裁は、ブルームバーグのテレビインタビューにおいて、イールドカーブ・コントロールを「極めて真剣に」検討していると述べました。
本日、国債利回りは低下し、米ドルを下落させ、米ドル安によるユーロ高の要因となりました。ユーロは4日連続で上昇し、対米ドルで3月末以来初めて、1.11ドルを試す展開となっています。今週、EUが公表した7500億ユーロ規模の救済基金は、ユーロ圏経済の見通しを改善し、ユーロを上昇させました。更に、ユーロ圏内での閉鎖措置の解除も、ユーロ高の要因となりました。
パウエル議長の発言と米経済指標が米ドルのリスク材料
GMT1500には、パウエルFRB議長がパネルディスカッションに参加予定です。イールドカーブ・コントロールへのFRBの見解が示唆された場合、米ドルが一段と下落する可能性があります。GMT1530に発表される米4月個人所得、及び米4月個人消費は一か月の下落幅が過去最大となる可能性があり、米ドルのリスク材料になるでしょう。
カナダでは、カナダ第1四半期GDPが発表される為、カナダドルの動きにも注目が集まるでしょう。予想を下回る結果となった場合、カナダドルは対米ドルでの最近の上昇幅を維持できなくなるでしょう。
しかしながら、市場の主要な関心は米中関係の緊迫化の為、トランプ大統領による対中制裁が予想外に厳しい内容となった場合には、経済指標結果は材料視されないでしょう。