デイリーマーケットコメントー米中関係にもかかわらず、経済回復期待で株価上昇

投稿日: 2020年5月26日18時20分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog
  • 経済再開による回復への期待で、株価上昇
  • リスクオンの流れで米ドル下落、ポンドと豪ドル上昇
  • 米中関係悪化の継続で、ゴールド高継続

経済再開で株価上昇

本日の株式市場も、昨日の株高の流れを引き継ぎました。アジア株式市場は1-3%上昇し、欧州及び米先物株価指数は2%上昇してのオープンを示しています。世界各地の経済再開により、持続可能な回復への期待が上昇し、リスク資産の需要が増加しています。

世界各地で感染者数が減少する中、日本と英国もようやく緊急事態宣言解除や閉鎖措置緩和に踏み切り、欧州系航空会社も運行を開始しました。

新型コロナウイルスのワクチン開発に関するポジティブなニュースも、感染拡大第2波への懸念を緩和させました。第2波による再度の閉鎖措置は、V字回復に繋がる現在の経済回復を妨げ、債務が増加した国が破綻する可能性がある為、第2波の回避は不可欠です。

現在の所、市場は楽観的観測が優勢となっており、株価先物指数が示し通りに、米株式市場が上昇してオープンした場合は、S&P500やダウ工業株は主要なレジスタンス水準を上抜けて、上昇トレンドが継続するでしょう。

米中関係悪化の継続を背景に、米ドル下落

市場のリスクオンムード回復により、米ドル、円、スイスフラン等の安全資産の通貨が下落しました。ユーロとポンドが上昇し、米ドルインデックスは0.4%下落しました。

ユーロ/ドルは1.09ドル台を回復し、ポンドも本日に最も堅調推移した通貨の一つとなりました。豪ドルも上昇し、対米ドルで0.7%値上がりしました。

英国内の感染者数減少により、昨日、ジョンソン首相が6月15日からの全商店の営業再開を公表しました。これにより、今月は下落基調となっていたポンドは大きく回復しました。

オーストラリアだけでなく、世界貿易に影響する米中関係悪化にもかかわらず、経済再開による経済回復への期待により、本日の豪ドルは上昇しました。

市場のリスク継続で、ゴールド高継続

中国政府による香港での国家安全法導入の動きにより、米国は中国への非難姿勢を一段と強めています。中国政府は国家安全法導入への国際社会の懸念緩和に努めていますが、トランプ大統領は米大統領選挙活動で、中国批判を主要な戦略として使用している為、反中姿勢は継続するでしょう。

米政府が新型コロナウイルス拡大で中国を非難し、11月の米大統領選挙まで米中関係悪化が継続する為、ゴールド高も継続するでしょう。昨日のゴールドは若干下落しましたが、米中関係悪化と新型コロナウイルスのリスクが継続する限り、ゴールドの需要増加は継続するでしょう。