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多数の国での経済再開により、安全資産の円上昇
世界の多数の国が感染拡大措置から経済成長回復に方針を切り替え始めたことにより、本日は安全資産の米ドル、円、及びスイスフランが下落しました。先週の米4月非農業部門雇用者数は、過去最悪の2050万人減となり、失業率も1930年代の大恐慌以来の14.7%まで上昇しました。しかしながら、市場の反応は限定的でした。
雇用統計悪化が底を打ったとの楽観的観測により、先週金曜日の米株式市場は上昇しました。本日のアジア市場もほぼ株価高の流れとなり、米国、及びユーロ圏主要株価先物指数も上昇してのオープンを示しています。3月下旬より多数の国で実施されてきた閉鎖措置が段階的に解除されることにより、経済再開がV字回復に繋がる期待が高まっています。
欧州で最も打撃を受けた英国でも、閉鎖措置解除に向けて動き始めています。昨日、ジョンソン首相が段階的に閉鎖措置を解除する方針を表明したものの、ポンド上昇には繋がりませんでした。本日のポンドは、対米ドルで若干下落しました。
ユーロも対米ドルで値下がりました。しかしながら、米ドルとユーロは、全面安となった円に対しては上昇しました。米ドルは、対円で0.5%値下がりし、1週間以上ぶり高値となりました。
感染第2波への懸念でゴールド上昇
市場のリスクオンの流れは緩やかで、コモディティ市場は下落や上昇が見られた為、市場全体がポジティブな流れにはなっていないようです。
経済活動の一部再開は、原油需要の見通しの早期変更には繋がらず、原油価格は約2%値下がりしました。ゴールド価格は、株式市場のように楽観的観測には影響されず、市場の慎重姿勢により、上昇しました。
中国と韓国では、週末中に新たな感染者数増加が見られ、閉鎖措置の早期解除によるリスクや第2波の懸念が浮上しました。市場は第2波のリスクを織り込んでいないものの、ゴールドは0.3%値上がりしました。
トランプ大統領は、米中貿易合意は困難との見解
先週金曜日に、トランプ大統領が米国と中国が1月に署名した第1段階の合意の履行状況について疑問を投げかけた為、市場のリスクムードが若干後退しました。トランプ大統領は、貿易合意の見通しについて質問において、「困難であり、まだ決まっていない」と回答し、米大統領選挙を控え、感染拡大への経済的打撃への責任を明らかにする必要性を示しました。
トランプ大統領による中国への批判により、豪ドルは前半の上昇幅を維持できず、下落しました。
NZ電子カード小売売上高の脆弱な結果により、今週水曜日の政策会合での利下げ観測が上昇し、NZドルも下落しました。