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米利下げ、及び利下げ休止示唆、しかしながら市場の反応は限定的
市場の予想通り、昨日、FRBは0.25%の利下げを実施しました。しかしながら、追加利下げは示唆されませんでした。声明文では、「景気拡大維持のために、適切に行動する」との文言が削除されました。これにより、3回の利下げ後、当面の間は利下げを休止し、刺激策の効果が出るまで待つ方針として市場では解釈されました。
パウエル議長の記者会見後、米ドルは今までの上昇幅を失い、下落に転じました。パウエル議長は、実質的なショックがない限り、追加利下げはないと述べ、利下げ休止の姿勢を明らかにしました。しかしながら、市場は別の視点から捉え、利上げ開始には「インフレの十分な上昇が必要」と解釈しました。
重要な点は、FRBは利下げを休止する方針ですが、逆境になった場合は、利下げを行う可能性があることです。一方で、経済が上向きになっても、利上げは簡単には開始されないことです。これにより、米株価は上昇し、S&P500は最高値を更新しました。
今後の米ドル相場の動きはどうなるでしょうか?数々の問題にもかかわらず、米経済はユーロ圏経済よりも底堅く推移しています。FRBが積極的な利下げを開始したり、ドイツ政府が十分な刺激策を公表しない限り、米ドル安は継続しないでしょう。また、今後数カ月内に、FRBによる積極的な利下げや、ドイツ政府による刺激策実施の可能性は低いでしょう。
カナダ中銀の見解は予想外にハト派的
昨日、カナダ中央銀行は、堅調な国内経済にもかかわらず、ハト派的な見解を示し、市場を驚かせました。カナダ中央銀行は、貿易摩擦により経済下振れリスクを強調し、堅調な国内経済継続が試されることを示しました。
政策会合では「保険的な」利下げが協議されたものの、今回は据え置きが決定されました。市場では、カナダ中央銀行の中立的政策を予想していた為、利下げ観測が急速に上昇し、カナダドルが下落しました。現在の所、12月の利下げの可能性は27%となっていますが、保険的な利下げの可能性を考慮すると、市場予想は低すぎる可能性があります。
日銀は据え置き決定、しかしながら今後利下げの可能性を示唆
本日、日銀は現行の金融政策の維持を決定しました。しかしながら、フォワードガイダンスが修正され、今後の利下げ可能性が明示されました。これにより、今後の追加緩和の可能性が上昇します。円相場の反応は限定的で、円は引き続きリスクオフ時の安全資産として見なされるようです。
本日は、ユーロ圏、米国、カナダから多数の経済指標発表予定
中央銀行の政策会合が終わり、市場の関心は経済指標に向けられます。本日には、ユーロ圏第3四半期GDPが発表され、製造業鈍化による経済成長への影響が明らかになるでしょう。
米国では、米9月個人所得、米9月個人支出、及び米9月PCEデフレーターが発表されます。明日には、米10月雇用統計が発表されます。
カナダでは、8月GDPが発表されます。