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外国為替市場:米ドルインデックスは昨日のUSセッションから上昇幅を拡大させ、約0.1%上昇しました。貿易問題のリスク後退で、円は対主要通貨で下落しました。円は対米ドルでは7か月ぶり安値まで急落しました。
株式市場: 中国が米国への対抗措置に講じる姿勢を見せなかったことと、ムニューシン米財務長官が交渉に前向きな姿勢を見せたことにより、昨日の米株式市場の終値は下落しました。ハイテク関連株の多いナスダック指数は1.39%上昇し、最高値を更新しました。ダウ工業株30種とS&P総合500種はそれぞれ0.91%と0.87%上昇しました。S&P総合500種は、今年2月以来の最高値となりました。株価上昇の流れは継続し、本日の米主要株価先物指数は、上昇してのオープンを示しています。
アジア株式市場も全面高となりました。円安の流れも影響し、日経平均株価とトピックスはそれぞれ1.81%と1.19%上昇しました。香港株式市場は0.22%上昇しました。
欧州市場でも、主要株価先物指数は大幅に上昇してのオープンを示しています。
コモディティ: リビアの原油生産再開観測による原油供給増加への懸念により、原油価格は下落を継続しています。WTI原油先物は若干回復したものの、上昇幅は0.05%未満でした。ブレント原油先物は0.53%下落しました。
ゴールドも0.06%下落し、現在1245ドル付近で推移しています。地政学リスク後退と米ドル高の流れにより、ゴールドの需要低下が継続しています。
主要な動き: 貿易問題のリスク後退でリスクオン維持;円安加速
貿易問題のリスクが若干後退したことにより、市場のリスクオンは継続されています。昨日、ムニューシン米財務長官が中国側と交渉する用意があると発言し、談話による貿易問題解決への期待が再度浮上しました。
円が貿易問題のバロメーターの様に反応しています。リスク後退により、資金がリスク逃避先資産からリスク資産に流れた為、円が下落を継続しています。ドル/円は7か月ぶり高値まで112.75円まで値を切り上げ、円は対ユーロでも2か月ぶり安値まで値を切り下げました。今後、米国と中国が歩み寄り、協議が再開されるかが注目されるでしょう。
昨日前半の米ドルは上昇したものの、米消費者物価指数の結果を受けて上昇幅の殆どを解消しました。米消費者物価指数は市場予想と一致した結果となったものの、生産者物価指数と同様の好調な結果が市場で期待されていた為、米ドル下落に繋がりました。
英国では、メイ英首相の改革案にポンドは殆ど反応を見せませんでした。改革案では、商品のEU市場への自由なアクセスは維持されるものの、サービスの自由なアクセスは維持されない模様です。現状の改革案では、EU側に受け入れられない為、EU側との更なる協議が必要となる模様です。
本日これからの市場: 米ミシガン大消費者信頼感指数発表、トランプ大統領の訪英に注目
GMT1230 には、米6月輸入物価指数、及び輸出物価指数が発表されます。
GMT1400には、米7月ミシガン大学消費者信頼感指数が発表され、若干の鈍化が予想されています。
貿易問題に関しては、中国が米国の関税に対して報復措置を講じる姿勢を示していない為、懸念が若干緩和しました。しかしながら、貿易戦争に発展するリスクは依然として残っている為、引き続き市場は注視するでしょう。
NAFTA交渉が継続する中、ポンペオ米国務長官がメキシコを訪問し、メキシコ次期大統領のロペスオブラドール氏、及びメキシコ政府高官と会談を行う予定です。
株式市場に関しては、JPモルガンチェース、シティグループ、ウェルファーゴ、PNC金融サービスグループ等の有名企業の四半期決算が発表されます。四半期決算結果は、米株式市場開始前に明らかになります。
GMT1700には、米ベーカーヒューズ社のリグ稼働数が発表されます。
テクニカル分析: USDJPYは6か月ぶり高値更新;買われ過ぎのサイン
本日前半のUSDJPYは、6か月ぶり高値112.76円まで上昇し、現在も112.76円付近で推移しています。上昇した転換線と基準線は短期的強気相場を示していますが、平坦化しつつある基準線が上昇勢い失速の初期兆候を示している可能性があります。更に、遅行スパンが買われ過ぎ市場のサインを示しており、短期的に相場転換の可能性が残されています。
世界的貿易問題のリスク後退が継続すると、USDJPYは上昇するでしょう。この場合、113ドル付近がレジスタンスゾーンになるでしょう。
反対に、世界的貿易問題のリスクが再浮上した場合、リスク逃避先資産の円の需要が高まるでしょう。この場合、転換線上の112.33円付近がサポートして機能するでしょう。その下には、112円が控えています。
米7月ミシガン大学消費者信頼感指数発表時にUSDJPYが動く可能性もなります。