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外国為替市場:本日後半にFOMC議事録発表を控え、米ドルインデックスは0.3%低下しました。ECBメンバーによる発言を受けて、ユーロは回復しました。
株式市場: 昨日の米株式市場は祝日による閉場でした。本日の米主要株価先物指数は、上昇してのオープンを示していますが、上昇幅は僅かになる模様です。
昨日、米中貿易摩擦が一段と強まったことにより、本日のアジア株式市場は全面安となりました。日経平均株価とトピックスはそれぞれ0.78%と1.01%下落しました。香港株式市場は1.04%下落しました。
欧州市場は、一部の主要株価先物指数が上昇してのオープンを示し、残りの主要株価先物指数が下落してのオープンを示す強弱混合の動きを見せています。しかしながら、全主要株価先物指数が中立付近で推移しています。
コモディティ: 昨日、トランプ大統領がOPECに原油価格引き下げを要請したことにより、原油価格は下落しました。トランプ大統領はOPECが原油価格を引き上げていると非難し、原油価格はすぐに引き下げられるべきだと発言しました。WTI原油先物は0.6%、ブレント原油先物は0.8%下落しました。しかしながら、WTI原油先物は3年ぶり高値付近で、ブレント原油先物は3年半ぶり高値付近で引き続き推移しています。
昨日のゴールドは、米ドル安の流れにより、回復を継続しました。本日には大きな動きは見られず、1255ドル付近で取引されています。
主要な動き: ユーロとポンド回復;貿易問題に引き続き注視
昨日は、米市場の休場による比較的静かな市場で、ユーロとポンドが上昇しました。
複数のECBメンバーが、利上げ見通しが過小評価されている可能性があると発言したことが報道され、ユーロ回復の要因となりました。市場は2019年12月の0.10%の利上げを完全に織り込みつつありますが、複数のメンバーはハト派的すぎると見なし、2019年9月或いは10月の利上げを示唆しました。一部メンバーのタカ派的見解により、2018年10月での0.10%の利上げが完全に織り込まれつつあります。
本日には、プラート専務理事、及びメルシュ専務理事の講演が控えており、利上げへのより新たな見解が示される可能性があります。2019年9月、或いは10月が利上げに適切な時期として示されると、9月利上げ観測が上昇し、ユーロも一段と上昇するでしょう。
昨日の英サービス業PMIの予想を上回る結果がポンドを上昇させました。ポンド/ドルは10日ぶり高値1.3245ドルまで上昇後、若干下落しました。製造業PMIと建設業PMIに加え、サービス業PMIも好調な結果となったことにより、8月利上げ観測がより確実になりつつあります。現在、英オーバーナイトインデックススワップによると、8月利上げの可能性は57%となっています。
本日、イングランド銀行のカーニー総裁の講演は注視されるでしょう。カーニー総裁の講演後、重要な英経済指標発表は控えていない為、市場の関心は再びEU離脱問題に向けられるでしょう。英メイ首相は、EU離脱後の通商関係に関する妥協案を議会で提示する模様です。
貿易問題に関しては、米国の駐ドイツ大使が、EUが米自動車への関税を撤廃すれば、米国はEU車への関税に関して譲歩の用意があることをドイツ自動車メーカーの幹部に伝えたことが報道されました。この報道に反応して、ダイムラー社の株価が一時上昇したものの、市場全体の流れには大きな影響はありませんでした。
概して、市場の関心は、明日から実施される米国と中国の関税に向けられている模様です。米国と中国による報復関税が、より深刻な貿易問題に発展することを市場は懸念しています。
本日これからの市場: FOMC議事録注視;ADP全国雇用統計と米ISM非製造業PMI発表
GMT1215には、米6月ADP全国雇用者数が発表され、前月結果の17.8万人増から 19万人増への増加が予想されています。本指標は、金曜日に発表される米非農業部門雇用者数の先行指標と見なされる傾向があります。しかしながら、最近は本指標と非農業部門雇用者数の相関関係は、低下しつつあります。
GMT1230には、米週次新規失業保険申請件数が発表されます。GMT1400には、米6月ISM非製造業景況指数が発表され、前月結果からの若干の鈍化が予想されています。しかしながら、引き続き50を超える模様です。
GMT1800には、前回のFOMC政策会合での議事録が発表されます。前回の政策会合では年内二度目となる利上げが実施されました。更に、利上げの見通しが上方修正され、年内計4回の利上げの可能性も示唆されました。議事録では、FOMCメンバーが年内4回利上げにどれくらい自信があるかが明らかになるでしょう。貿易問題の進展も引き続き注視されるでしょう。
テクニカル分析: USDJPY短期的ほぼ保ち合い相場
USDJPYは昨日に1週間ぶり安値110.27円まで値を切り下げた後、若干回復しました。ほぼ横ばい推移しているRSIは、短期的保ち合い相場を示しています。強気相場への転換の兆しが見えつつありますが、判断するにはまだ早すぎるようです。
本日発表されるFOMC議事録がよりタカ派的見解となった場合、USDJPYは上昇するでしょう。この場合、20日平均線上の110.63円付近が直近のレジスタンスゾーンになるでしょう。一段と上昇した場合、ボリンジャーバンドの上部111.03円が視野に入るでしょう。この付近には、111円、及び7月3日に記録した1か月半ぶり高値111.13円も控えています。
反対に、FOMC議事録がより慎重な内容となった場合、USDJPYは下落し、50日MA上の110.31円付近がサポートゾーンとして機能するでしょう。100日MA上の110.29円とボリンジャーバンドの下部110.23円もこのサポートゾーンに含まれます。一段と下落した場合、110円が次のサポートポイントになるでしょう。
本日に発表される米経済指標もUSDJPYを動かす要因となるでしょう。