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外国為替市場:本日の米ドルインデックスは約0.1%上昇し、7か月ぶり高水準を若干下回る水準で推移しています。一方、ユーロとポンドは軟調推移となりました。NZドルは、ニュージーランド準備銀行が利下げの余地を維持した為、再度下落しました。
株式市場: 昨日の米株式市場は、前半の上昇を解消し、下落して引けました。クドロー国家経済会議委員長の発言により、株価が下落しました。ナスダック指数は1.54%、S&P総合500種は0.86%、ダウ工業株30種は0.68%下落しました。本日の米主要株価先物指数は、若干上昇してのオープンを示しています。
株安はアジア市場でも引き継がれました。日経平均株価とトピックスはそれぞれ0.01%と0.26%下落しました。香港株式市場は0.51%下落しました。
欧州市場も株安となる模様で、主要株価先物指数は大幅に下落してのオープンを示しています。
コモディティ: 原油価格は昨日のUSセッションでの急騰後、本日は若干下落しました。米エネルギー省が発表した米原油在庫が予想を大きく上回る減少となったことが、原油価格上昇の主な要因でした。通常、米ドル高の流れは原油価格を下落させるものの、昨日の原油価格は急騰しました。
本日のゴールドは、昨日の下落幅を一段と拡大させました。ゴールドは、今年最安値の1249ドルで取引されています。貿易問題の不透明感はゴールド上昇に繋がっておらず、下落基調の継続の背景には、米ドル高の流れがあるようです。
主要な動き: クドローNEC委員長の発言で株安、米ドル高継続;NZ中銀の見解でNZドル安
昨日の米株式市場は荒い値動きとなりました。クドロー国家経済会議委員長がトランプ大統領は中国に対する姿勢を緩和させたわけでないないと発言した為、米株式市場は上昇から下落に転じました。トランプ政権は、国家安全のリスクに関わる重要技術分野への海外投資の審査過程は見直される方針を示し、ムニューシン財務長官が述べたように、中国だけでなく、他国も対象となる模様です。
貿易問題の不透明感にも関わらず、米ドル高が継続しました。米長期国債利回りの大幅な下落も米ドル安に繋がりませんでした。米ドル高の背景には、四半期末の米ドル需要もあったようです。
米ドル高のもう一つの要因は、ユーロ安とポンド安でした。本日より開催されるEUサミットがユーロの上値を重くしている模様です。
EUサミットでは、アイルランドの国境問題で合意に至っていない英国のEU離脱問題も協議されるため、ポンドが下落しました。昨日、イングランド銀行のカーニー総裁が世界的リスク上昇について言及したことも、ポンド安の要因となった模様です。ポンド/ドルは約0.3%下落し、7か月ぶり安値を更新しました。
本日、ニュージーランド準備銀行が政策金利の据え置きを決定し、よりハト派的見解を示した為、NZドル/ドルは2年ぶり安値まで急落しました。
本日これからの市場: ユーロ圏経済信頼感、独消費者物価指数、米GDP発表;EUサミット開催、貿易問題の進展に注視
GMT0900には、ユーロ圏6月経済信頼感が発表され、前月結果からの鈍化が予想されています。同時刻には、ユーロ圏6月消費者信頼感・確報値も発表され、2017年10月以来の最低水準-0.5が予想されています。
GMT1200には、独6月消費者物価指数・速報値が発表されます。前月比は前月結果の0.5%増から0.1%増への鈍化、前年比は前月結果の2.2%増から2.1%増への鈍化が予想されています。独消費者物価指数は、翌日に発表されるユーロ圏消費者物価指数の先行指標として注目を集めます。
GMT1230には、米第1四半期GDP・確報値、及び米第1四半期コアPCEデフレーターが発表されます。GDPは前年比2.2%増が予想されています。同時刻には、米週次新規失業保険申請件数も発表されます。
本日開催されるEUサミットでは、移民、安全保障、経済、及び金融に関する政策について協議されます。英国のEU離脱に関しては、二日目となる明日に協議される模様です。
ドイツでのメルケル政権存続の危機への懸念が、ユーロの値動きを重くしています。特に、キリスト教社会同盟(CSU)は、移民によるドイツへの負担が十分に軽減されない場合、メルケル首相と対立する姿勢を示しています。本日、メルケル首相は政権存続のために、EUの他の加盟国から移民政策において譲歩の引き出しを試みる模様です。1回目のセッション終了後のGMT1700には、欧州理事会のトゥスク議長、及び欧州委員会のユンケル委員長の記者会見が予定されています。
GMT1330には、先週のイングランド銀行の政策会合で利上げを支持して市場を驚かせたホールデン理事が発言予定です。GMT1445には、本年度のFOMCで投票権を持たないセントルイスのブラード総裁の発言が、GMT1600には本年度のFOMCで投票権を持つアトランタ連銀のボスティック総裁が発言予定です。
テクニカル分析: EURUSDは短期的弱気相場
今週火曜日に2週ぶり高値1.1720ドルを更新したEURUSDは、その後150ピップ以上下落しました。転換線と基準線の下落は、弱気相場を示しています。RSIも下落基調を示していますが、30の売られ過ぎ水準に近付きつつあります。
EUサミットの結果がメルケル政権を弱体化させる結果となった場合、EURUSDは下落するでしょう。この場合、11か月ぶり安値1.1507ドル付近がサポートゾーンとなり、この付近には1.15ドルも含まれます、一段と下落した場合、1.14ドルを試す展開となるでしょう。
反対に、メルケル首相に追い風となる結果となった場合、EURUSDは上昇するでしょう。この場合、一目均衡表の雲の底値1.1573ドル付近がレジスタンスゾーンになるでしょう。一段と下落した場合、転換線上の1.1599ドルが視野に入るでしょう。その上には、1.16ドル台、50日MA上の1.1614ドル、基準線の1.1623ドルが控えています。
本日発表されるユーロ圏、及び米国の経済指標もEURUSDの値動きに影響するでしょう。