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外国為替市場:本日の米ドルインデックスは下落したものの、下げ幅は0.1%未満でした。昨日の米ドルインデックスは、若干回復しました。明日にEUサミット開催を控え、ユーロは軟調推移となり、ポンドもイングランド銀行によるハト派的姿勢で下落しました。
株式市場: 昨日、トランプ政権が中国による米企業への投資制限は、より緩やかな内容となることを示唆した為、貿易戦争への懸念が若干緩和されました。ハイテク関連株の多いナスダック指数は0.38%上昇しました。S&P総合500種とダウ工業株30種もそれぞれ0.22%と0.12%上昇しました。しかしながら、米主要株価先物指数が大幅に下落してのオープンを示している為、株価回復は一時的となる模様です。
アジア株式市場はほぼ全面安となりました。日経平均株価は0.31%下落したものの、トピックスは0.02%上昇しました。香港株式市場は1.07%下落しました。
欧州市場は、主要株価先物指数が強弱混合の動きとなり、ほぼ中立付近での推移となっています。
コモディティ: 昨日、米国が同盟国に11月までにイランからの原油輸入の完全停止を要求することが報道され、原油価格を押し上げました。リビアでの原油輸出を巡る不透明感、及び米石油協会が発表した米原油在庫の減少も原油価格上昇の要因となった模様です。本日、WTI原油先物とブレント原油先物は、それぞれ0.4%と0.6%上昇しました。
本日、ゴールド価格が0.3%下落し、本年度の最安値1253ドルを記録しました。過去数週間のゴールドは、貿易摩擦によるリスクオフムードにも関わらず、軟調推移を継続しています。
主要な動き: トランプ大統領の和平的姿勢でリスクオフ後退、米ドル回復、ユーロとポンド下落
本日の米ドルインデックスは、過去3セッションでの下落から若干回復しました。トランプ大統領による「和平的」シグナルが米中貿易摩擦を若干緩和させ、米ドルが回復しました。トランプ大統領は、米国の重要技術分野において、中国からの全ての投資を制限する方針ではないことを示唆しました。しかしながら、安全保障の観点から、対米外国投資委員会を通じてケースごとに対応する姿勢を示しました。
少なくとも現在の所、米中貿易問題へのリスクは後退しました。これにより、リスク逃避先資産の円は下落し、株価は上昇しました。しかしながら、市場は慎重な姿勢を維持している為、貿易問題の進展は引き続き注視されるでしょう。
昨日、イングランド銀行の2名の政策メンバーが、タカ派的とハト派的な全く異なる見解を示したことにより、ポンドは新たに下落しました。8月末に退任予定のマカファーティ委員は、利上げ支持の姿勢を示しました。一方、後任のハスケル氏は、利上げの余地もある慎重姿勢を示しました。見解の相違は、8月利上げ観測にも影響するでしょう。
ユーロは、明確な要因はないものの、対主要通貨で下落しました。明日に控えたEUサミットが影響しているのかもしれません。メルケル独首相は移民政策で合意を得られない場合、政権存続の危機に直面する可能性があります。
本日、NZ6月ANZ企業景況感の脆弱な結果を受け、NZドル/ドルは0.7%下落し、7か月ぶり安値を更新しました。本指標結果は、GMT2100にニュージーランド準備銀行が発表する政策金利に影響する可能性があります。政策金利は最低水準の1.75%での据え置きが予想されています。
本日これからの市場: 米耐久財受注、及び米中古住宅販売保留件数発表;貿易問題進展注視
GMT0800にはECBが民間借款、及びマネーサプライを発表します。GMT0930には、イングランド銀行が金融安定報告書を発表します。
GMT1000には、英6月CBI流通業売上高が発表され、1月以来の高水準となった3月結果と同様の11が予想されています。
次に、市場の関心は、GMT1230に発表される米5月耐久財受注に向けられるでしょう。前月結果の前月比1.6%減に対して、前月比1%減が予想されており、2か月連続の低下となる見込みです。輸送機器を除くコアの耐久財受注も注視され、前月比0.5%増が予想されています。耐久財受注結果に、貿易摩擦の影響が及んでいるかが注目されるでしょう。
GMT1400には、米5月中古住宅販売保留件数が発表され、前月比1.3%減となった前月結果に対し、前月比0.5%増が予想されています。
外国為替市場だけでなく、他の市場にも影響を及ぼす貿易問題は、引き続き注視されるでしょう。
GMT1500にはクォールズFRB副議長が発言予定で、GMT1430には、本年度のFOMCで投票権を持たないボストン連銀のローゼングレン総裁も発言予定です。GMT1915には、カナダ中銀のポロズ総裁の発言も控えています。
GMT1430に米エネルギー省が発表する米原油在庫は、原油相場の短期的方向性を示す可能性があります。590万バレル減となった前回結果に対して、今回は260万バレル減が予想されています。
テクニカル分析: WTI原油先物は1か月ぶり高値で強気相場
過去10日余りのWTI原油先物は大幅に上昇し、本日前半には1か月ぶり高値70.95ドルを更新しました。RSIは上昇を継続し、短期的強気相場を示しています。しかしながら、上昇が緩やかになりつつあり、上昇勢いの失速も示されています。
本日、米エネルギー省が発表する原油在庫に予想を上回る減少が見られた場合、原油価格は上昇するでしょう。この場合、心理的節目ともなる71ドル付近がレジスタンスゾーンになるでしょう。71ドルを上抜けた場合、5月22日に記録した3年半ぶり高値72.87ドルを目指す展開になるでしょう。
反対に、原油在庫に予想を下回る減少、或いは増加が見られた場合、原油価格は下落するでしょう。この場合、心理的節目となる70ドル付近がサポートゾーンになるでしょう。一段と下落した場合、50日平均線上の68.31ドル付近が視野に入るでしょう。