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外国為替市場: 昨日のUSセッションで低下した米ドルインデックスは、本日には大きな動きは見られませんでした。市場の関心が引き続き貿易摩擦に向けられている為、本日も円高が継続しました。
株式市場: 昨日、貿易問題への懸念が株価を下落させました。ナスダック指数は2.09%、S&P総合500種は1.37%、ダウ工業株30種は1.33%下落しました。ムニューシン米財務長官が対米投資制限は中国だけでなく、他の国々も対象となると発言したことが、株価下落に繋がりました。株価が5.97%急落したハリーダビッドソンは、EU報復関税を回避する為、一部生産を米国外に移転する方針を公表しました。
アジア株式市場は強弱混合となりました。日経平均株価とトピックスはそれぞれ0.02%と0.16%上昇しました。一方、香港株式市場は0.01%、中国のCSI300は0.83%下落しました。
欧州市場では、全ての主要株価先物指数が上昇してのオープンを示しています。
コモディティ: 本日の原油価格は、昨日からの下げ幅の一部を回復し、上昇しました。カナダとリビアの供給低下を受けて、WTI原油先物とブレント原油先物は、それぞれ0.3%と0.2%上昇しました。しかしながら、米中貿易摩擦のリスク上昇は、今後数年間の原油需要予測に影を落とし、昨日の原油価格を低下させました。
ゴールドは約0.1%下落し、1264ドルを若干上回る水準で推移しています。リスクオフムードと米ドル安にも関わらず、昨日のゴールド価格は下落を継続しました。
主要な動き: 貿易問題への根強い懸念により、リスクオフムード
昨日、市場の関心は貿易問題に引き続き向けられ、株式等のリスク資産から、円や米債券等のリスク逃避先資産に資金が流れました。米株式市場の終値は大幅に下落し、ドル/円は2週間ぶり安値109.35円まで値を下げました。米国債利回りも低下しました。
ムニューシン米財務長官が対米投資制限は中国だけでなく、「米国のテクノロジーを盗もうとする」全ての国が対象となると発言したことにより、最初のリスク回避の流れを引き起こしました。しかしながら、その後、ナバロ国家通商会議委員長が「どの国に対しても投資制限を課すという計画はない。米国の技術が脅かされる可能性がある場合、それを守ろうとしているだけだ。」と述べました。更に、ナバロ国家通商会議委員長は株安は過剰反応であるとも述べました。これによりリスクオフムードが後退し、ドル/円と米株価が回復しました。しかしながら、その後、再度下落基調となった為、ナバロ国家通商会議委員長の発言は投資家心理を安心させるには不十分だったようです。
ハリーダビッドソンがEU報復関税を回避する為、一部生産を米国外に移転する方針を公表した為、貿易問題への懸念が既にサプライチェーンに影響したことが浮き彫りとなり、リスクオフの流れが強まりました。貿易問題の進展は引き続き市場の流れに影響するでしょう。貿易問題の次に重要な発表は、6月30日の対米投資の詳細になるでしょう。最も重要なことは、制限内容、及び中国がどのような反応を選択するかになります。
木曜日に英国のEU離脱に関するEUサミットを控え、ポンド/ドルは約0.1%低下し、ユーロ/ポンドは約0.1%上昇しました。
貿易問題のリスク上昇により、コモディティ通貨も下落しました。NZドル/ドルは0.2%下落し、豪ドル/ドルは0.05%下落しました。
本日これからの市場: 貿易問題、及び政治情勢に注視;米ケースシラー住宅価格指数、及び米消費者信頼感指数発表
GMT1300には米4月ケースシラー住宅価格指数が、GMT1400には米6月消費者信頼感指数が発表されます。消費者信頼感指数は前月結果と同様の128となる見込みです。
市場の関心は、トランプ政権による関税政策、及び米国の貿易相手国による貿易摩擦を強める報復措置に向けられるため、貿易問題は引き続き主要なリスク材料になるでしょう。貿易摩擦のリスク上昇は、株式等のリスク資産からリスク逃避先資産資金を流出されるでしょう。米財務省によるテクノロジー関連の対米投資制限も注視されるでしょう。
メルケル独首相は、移民政策、及びユーロ圏改革について、連立政権の他の党首と協議します。特に移民政策は、連立政権内部で亀裂を生じさせる可能性が危惧されています。
政策担当者の発言予定に関しては、GMT1745に本年度のFOMCで投票権を持たないダラス連銀のカプラン総裁が、GMT1800には本年度のFOMCで投票権を持つアトランタ連銀のボスティック総裁が発言予定です。時刻はまだ公表されていませんが、デキンドスECB副総裁も発言予定です。
エネルギー市場に関しては、GMT2030に米石油協会が米原油在庫を発表予定です。
テクニカル分析: USDJPYの下落圧力後退
昨日、2週ぶり安値109.36円まで急落したUSDJPYは、本日には若干回復しました。転換線と基準線の下落が、引き続き弱気相場を示しています。しかしながら、基準線の平坦化が下落勢いの減速を示しています。
貿易問題のリスクが上昇した場合、リスク逃避先資産の円が上昇するでしょう。したがって、USDJPYは下落します。昨日の2週ぶり安値109.36円が直近のサポートポイントとなり、その下には6月8日に記録した約4週ぶり安値109.19円が控えています。一段と下落した場合、5月下旬から6月上旬にかけて数回に渡って記録した108.75付近が視野に入るでしょう。
反対に、貿易問題へのリスクが後退した場合、USDJPYは上昇するでしょう。直近のレジスタンスゾーンは、転換線上の109.70円付近になるでしょう。一段と上昇した場合、110円を目指す展開となるでしょう。この付近には、50日平均線上の110.12円、100日平均線上の110.14円、基準線上の110.06円、一目均衡表の雲の底値の110.04円と天井値110.14円が含まれます。
米消費者信頼感指数もUSDJPYの値動きに影響するでしょう。