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外国為替市場:米ドルは対主要通貨で若干上昇しました。しかしながら、貿易問題の不透明感がリスク逃避先資産の円を上昇させた為、米ドルは対円で下落しました。ドル/円は2週間ぶり安値付近で推移しています。
株式市場: 貿易問題への懸念により、リスク資産から資金が流出し、アジア株式市場は全面安となりました。
コモディティ: 先週金曜日にOPECが市場予想よりも緩やかな増産に合意したことにより、原油価格は上昇しました。本日のWTI原油先物とブレント原油先物は若干下落し、それぞれ68.52ドルと74.51ドルで取引されました。
ゴールドは、おそらく米ドル高により、リスク逃避先資産にも関わらず、上昇しませんでした。ゴールドは約0.15%下落して、1266.74ドルで取引されていました。
主要な動き: 貿易問題への懸念で円上昇;コモディティ通貨下落;トルコドル急騰
米ドルインデックスは若干上昇したものの、上昇幅は0.2%を下回りました。しかしながら、貿易問題への懸念により、リスク逃避先資産の円は上昇し、米ドルは対円では上昇しませんでした。ドル/円は、6月11日以来の安値109.35円まで一時値を切り下げました。
米ドルインデックスは上昇したものの、先週に記録した11か月ぶり高水準95.53まで依然として距離があることは注視すべきでしょう。
先週金曜日、トランプ大統領は欧州からの輸入車に20%の関税をかけると警告しました。米国とEU間の貿易問題の緊張上昇に加え、ウォールストリートジャーナル紙の記事も貿易摩擦を上昇させました。ウォールストリートジャーナル紙は、米財務省が中国資本が25%以上占める企業に対し、「産業上重要な技術」を保有する米企業の買収を禁じる規則を検討していると報道しました。
株価下落に加え、リスクオフの流れは、債券市場にも影響しました。投資家が安全性を求めた為、債券市場に資金が流れました。
ユーロ/ドルは約0.15%下落した1.1640ドル付近で取引されました。貿易問題の他に、通貨市場に影響するリスクイベントは、メルケル独首相と連立パートナーとの移民政策を巡る協議になるでしょう。
6月28日から29日にかけて開催されるEUサミットでのEU離脱協議を控え、ポンドは対米ドルで0.2%下落しました。
リスクオフ時に下落する傾向がある、豪ドル、NZドル、及びカナダドル等のコモディティ市場は、全て対米ドルで下落しました。カナダドルは、OPECの増産決定による原油相場の荒い値動きにも敏感に反応しています。
新興国市場では、トルコドルが最も上昇しました。昨日のトルコ総選挙で、エルドアン大統領の再選を受けて、ドル/トルコドルは約2%下落しました。
本日これからの市場: 独Ifo景況感指数、米新築住宅販売件数発表、貿易問題進展に注目
GMT0800には、独6月Ifo景況感指数が発表され、前月結果からの若干の鈍化が予想されています。したがって、ユーロ最大の経済大国の経済失速が浮き彫りとなる可能性があります。
GMT1400には、米5月新築住宅販売件数が発表され、前月比1.5%増が予想されています。
貿易問題は、通貨市場だけでなく、株式市場、債券市場、及びコモディティ市場に影響する為、進展は注視されるでしょう。
テクニカル分析: EURUSDは短期的保ち合い相場の兆し;ストキャスティック上では超短期的弱気相場
EURUSDは先週木曜日に記録した11日ぶり高値1.1674ドルから若干下落しました。RSIは50を超えて、強気相場の水準を維持しています。しかしながら、RSIは50を若干上回る水準で上昇を停止し、現在の所、保ち合い相場の兆しを見せつつあります。一方、ストキャスティック上では、%Kが%Dを下抜け、共に下落していることから、超短期的弱気相場の兆しを見せています。
本日発表される独Ifo景況感指数が好調な結果となった場合、EURUSDは上昇するでしょう。この場合、直近のレジスタンスゾーンは100日平均線上の1.1687ドル付近になるでしょう。この付近には、心理的節目となる1.17ドルや、先週金曜日の高値1.1674ドルも控えています。一段と上昇した場合、最近の高値が多く含まられる1.1750ドル付近が次のレジスタンスゾーンとなるでしょう。
反対に、独Ifo景況感指数が予想を下回る結果となった場合、EURUSDは下落するでしょう。この場合、50日MAの1.1630ドル付近がサポートゾーンになるでしょう。一段と下落した場合、1.16ドルが視野に入るでしょう。
貿易問題の進展もEURUSDを動かす要因となるでしょう。