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外国為替市場:本日の米ドルインデックスは0.3%上昇し、2018年の最高水準を更新しました。貿易摩擦のリスクに後退が見られ、円やスイスフラン等のリスク逃避先資産が下落し、それぞれ対米ドルで0.3%と0.2%値下がりしました。カナダドル、豪ドル、NZドル等のコモディティ通貨も下落しました。とくに、カナダドルと豪ドルは対米ドルで1年ぶり安値まで下落しました。
株式市場: 昨日の米株式市場の終値は強弱混合となりました。ナスダック指数は、フェイスブックとネットフリックスの株価上昇が好感され、0.72%上昇し、最高値を更新しました。S&P総合500種は0.17%上昇し、一方のダウ工業株30種は0.17%下落しました。
本日の米主要株価先物指数は、上昇してのオープンを示しています。
アジア株式市場は概ね下落しました。日経平均株価は0.61%上昇し、一方でトピックスは0.12%下落しました。香港株式市場は、1.23%下落しました。
欧州市場は、独DAX30を除く主要株価先物指数は、上昇してのオープンを示しています。
コモディティ: OPEC会合での増産反対観測が後退し、本日の原油価格は下落しました。昨日のイランの石油相の発言により、WTI原油先物は約0.5%、ブレント原油先物は0.9%値下がりしました。イランの石油相は、数日前の発言内容とは異なり、OPECの増産に協調同意する意向を示しました。したがって、増産するかしないかではなく、どれくらいの量の増産が実施されるかが、原油価格の上値を重くしています。
米ドル高により、ゴールドは0.4%下落し、2018年最安値を更新しました。米中貿易戦争のリスク上昇がゴールド価格上昇に繋がらない事実は、ゴールドの買い手不足を示しています。米中貿易摩擦の大幅な拡大、或いは米ドル安にならない限り、ゴールドの下落基調は継続するでしょう。
主要な動き: 米ドルインデックス最高値更新、リスク逃避先資産下落
本日のアジアセッションでは、米長期国債利回り上昇、及びコモディティ通貨とリスク逃避通貨の下落により、米ドルインデックスが11か月ぶり高水準まで上昇しました。
昨日、オーストリア中央銀行のノボトニー総裁がECBとFRBの金融政策の乖離が為替レートに影響すると発言した後、ユーロが一段と値下がりしました。
メディアは、ECBが「貿易戦争への懸念上昇がユーロ圏経済回復に影響する可能性」を懸念していることを報道しました。メディア報道ほどの強い主張ではないものの、昨日のポルトガルでのECBコンファレンスでも、FRB、ECB、及び日銀が同様の見解を示しました。
昨日の市場はほぼ回復モードとなり、貿易戦争へのリスク上昇は一旦落ち着いた模様です。しかしながら、回復モードの例外は、カナダドル、豪ドル、及びNZドル等のコモディティ通貨でした。原油相場の安定、及び米ロス商務長官によるNAFTA交渉再開の発言にも関わらず、カナダドルは対米ドルで1年ぶり安値まで急落しました。
昨日、英下院でEU離脱交渉で議会により大きな権限を与える修正案が否決されました。この結果を受けて、ポンドは上昇しました。しかしながら、その後すぐに、米ドル全面高の流れにより、対米ドルで1年ぶり安値まで急落しました。
本日これからの市場: 英中銀政策発表、米週次新規失業保険申請件数、及びユーロ圏消費者信頼感発表
GMT1100には、イングランド銀行の政策金利、及び議事録が発表されます。政策金利は0.50%の据え置きが広く予想されています。今回は、カーニー総裁の記者会見、経済成長とインフレ見通しの公表がない為、議事録で明らかとなる英金融政策委員会メンバーの発言内容がポンドの値動きに影響するでしょう。特に、8月の政策会合に関する発言に注目が集まるでしょう。英オーバーナイトインデックススワップによると、8月の政策会合での利上げの可能性は31%となっています。英金融政策委員会メンバーが8月利上げを支持した場合、ポンドは上昇するでしょう。反対に、8月利上げが支持されなかった場合、ポンド安になるでしょう。
最近の英経済指標の低調な結果、及びEU離脱を巡る不透明感により、英金融政策委員会メンバーが英経済に慎重な姿勢を見せる可能性があります。したがって、全体的にポンドの値動きの下振れリスクの可能性があります。
GMT1230には、米週次新規失業保険申請件数が発表されます。同時刻には、英6月フィラデルフィア連銀製造業指数も発表されます。
GMT1230には、カナダ4月卸売売上高も発表されます。
GMT1400には、ユーロ圏6月消費者信頼感・速報値が発表され、前月結果の0.2から0への鈍化が予想されています。
本日には、英ハモンド財務相とイングランド銀行のカーニー総裁によるマンションハウス・スピーチが控えています。カーニー総裁の演説はGMT2015に予定されています。
GMT0945には、ドイツ連邦銀行のヴァイトマン総裁による金融政策に関する発言が予定されており、市場の関心が集まるでしょう。
GMT1500のユーロ圏財務相会合では、ギリシャへの新たな救済策の可能性も協議され、市場が注目する可能性があります。
最後に、貿易問題に引き続き市場の関心が集まり、進展があった場合には、荒い値動きとなるでしょう。
テクニカル分析: GBPUSDは7か月ぶり安値で弱気相場;売られ過ぎの可能性
GBPUSDは6月中旬に2週ぶり高値1.3445ドルまで上昇後、大幅に下落しました。本日前半には、7か月ぶり安値1.3125ドルを更新しました。転換線と基準線の下落も短期的弱気相場を示しています。しかしながら、遅行スパンが売られ過ぎ市場を示している可能性があり、短期的な相場転換の可能性も残っています。
本日、イングランド銀行がタカ派的見解を示した場合、GBPUSDは上昇するでしょう。この場合、転換線上の1.3170ドルと基準線上の1.3211ドル付近がレジスタンスゾーンになるでしょう。特に基準線上の1.3211ドル付近は、1.32ドルと5月下旬に記録した1.3203ドルも含みます。
反対に、イングランド銀行が慎重な姿勢を示した場合、GBPUSDは下落するでしょう。この場合、1.31ドル付近がサポートゾーンになります。一段と下落した場合、1.30ドルを試す展開になるでしょう。