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外国為替市場:本日の米ドルインデックスは約0.1%上昇し、先週に記録した7か月ぶり高水準付近で推移していました。カナダドルは対米ドルで0.15%上昇し、先週金曜日の下落からの回復を試みました。
株式市場: 先週金曜日の米株式市場は、米国と中国による追加関税の公表により、下落して引けました。しかしながら、下落幅は大きくありませんでした。ダウ工業株30種は0.34%、ナスダック指数0.19%、S&P総合500種は0.10%下落しました。本日、米主要株価先物指数は大幅に下落してのオープンを示しています。
アジア株式市場も全面安となりました。日経平均株価とトピックスはそれぞれ0.75%と0.98%下落しました。香港株式市場は0.43%下落しました。
欧州市場も、主要株価先物指数が下落してのオープンを示しています
コモディティ: 中国政府が関税対象に原油も含むことを示唆したことにより、先週金曜日の原油価格は下落しました。WTI原油先物とブレント原油先物は共に約3ドル値下がりし、それぞれ2週間ぶり安値と6週間ぶり安値まで値を切り下げました。今週開催されるOPEC会合において、ベネズエラ、イラク、及びイランが、サウジアラビアとロシアによる増産案に拒否権を行使する模様です。
本日のゴールドは、先週金曜日のUSセッションで記録した今年最安値から若干回復しました。ゴールドは、世界的貿易問題の不透明感にも関わらず、過去数週間のレンジ相場を下に突き抜け、下落相場を示しています。
主要な動き: 貿易問題のリスク上昇に、市場はほぼ反応せず
広く予想されていた通り、米政府は、米国の知的所有権保護の為、総額500億ドル規模の中国製品への関税を公表しました。中国側が報復措置を試みた場合、米国は一段の手段を講じる姿勢を明確に示しました。しかしながら、中国側は、食料、自動車、及び原油に至る米製品に対しての500億ドル規模の報復関税を素早く公表しました。米国と中国は7月6日より340億ドル規模の関税を実施し、その数週間後に残りの160億ドル規模の関税を実施する方針を示しました。
しかしながら、米国と中国が以前から報復関税を示唆しており、市場にとってはサプライズではなかった為、市場の反応は限定的でした。米株式市場の終値は下落したものの、下落幅は限定的でした。
リスク逃避先資産と見なされるゴールドと円が上昇ではなく、下落しました。これにより、貿易問題への懸念は、リスク逃避先資産を買うほど強くなかったことが示されています。ゴールドは、今年最安値1275ドルまで値を切り下げました。
市場の限定的な反応は、一連の動きが米政府によるレバレッジを作り出す交渉戦略で、実際の貿易戦争を引き起こさないと予想していることを示しています。関税の規模が大きくないことから、追加関税による影響は主要経済にとって、「新たな負傷」にすぎないとの見方もあります。或いは、7月6日までに米国と中国が譲歩することへの期待もあります。どちらのケースにしろ、市場は今後の進展に注視するでしょう。
本日これからの市場: 経済指標発表がない中、貿易問題とEU離脱問題に注目
GMT1400に発表された米6月NAHB住宅市場指数は市場の注目を集める可能性があります。
英国では、英下院での採決後、EU離脱関連法案の修正案が英上院で審議され、市場の関心を集めるでしょう。ポンド相場の反応が予想されます。
貿易問題に関しては、米政権が総額500億ドル規模の中国製品への関税を公表したことにより、米中貿易摩擦が一段と強まりました。市場は米中衝突よりも、譲歩による緊張緩和を予想しているものの、今後の進展に市場の注目が集まるでしょう。
テクニカル分析: EURUSDは下落相場;しかしながら、下落勢い失速の兆し
EURUSDは、先週金曜日に記録した3週ぶり安値1.1543ドルを若干上回る水準で推移しています。転換線と基準線の下落は、短期的弱気相場を示しています。しかしながら、基準線が平坦化しつつあることから、下落勢いの減速兆候も現れています。
本日、ECBフォーラムでのドラギ総裁がユーロ圏経済に関して楽観的な姿勢を示した場合、EURUSDは上昇するでしょう。直近のレジスタンスゾーンは1.16ドル付近になり、一段と上昇した場合には、転換線上の1.1696ドルが視野に入るでしょう。
反対に、先週のECB政策会合の様に慎重な姿勢が示された場合、EURUSDは一段と下落するでしょう。直近のサポートゾーンは3週ぶり1.1543ドル付近になるでしょう。一段と下落した場合、5月下旬に記録した11か月ぶり安値1.1509ドルが視野に入るでしょう。