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外国為替市場:本日のFOMC政策で利上げが予想される中、米ドルインデックスは0.1%を僅かに上回る上昇となりました。昨日の英議会での投票結果がソフトなEU離脱の可能性として解釈され、ポンドは、対ユーロと円で回復しました。
株式市場: 昨日の米株式市場の終値は強弱混合となりました。ナスダック指数は0.57%、S&P総合500種は0.17%上昇しました。一方、ダウ工業株30種は0.01%下落しました。本日、米主要株価先物指数は、上昇してのオープンを示しています。
アジア株式市場も強弱混合となりました。日経平均株価とトピックスはそれぞれ0.38%と0.42%上昇しました。一方、香港株式市場は1.01%下落しました。
欧州市場もアジア市場の流れを引き継ぐ模様で、主要株価先物指数は強弱混合の動きを見せています。英FTSE100、独DAX30、及びスペインのIBEX35は下落してのオープンを示しています。一方、仏CAC40と伊FTSE MIBは上昇してのオープンを示しています。
コモディティ: 昨日に米石油協会が発表した米原油在庫での予想外の増加により、本日の原油価格は下落しました。WTI原油先物とブレント原油先物はそれぞれ0.7%と0.6%値下がりしました。翌週に控えるOPEC会合での増産予測も原油価格の上値を重くしています。
ゴールド価格は、USセッションでの下落を一段と拡大させ、0.1%下落しました。ゴールドは、依然として、1282ドルから1307ドルの非常に狭いレンジ幅内で推移しています。本日のFOMC政策会合の結果が、レンジ相場からの転換要因になるかが注目されます。
主要な動き: EU離脱法案の修正案否決後、ポンド回復、FOMC控え、米ドル上昇
昨日、英メイ首相は、造反を阻止することができ、EU離脱法案の修正案は反対多数で否決されました。しかしながら、英メイ首相は、造反回避の為、交渉で議会により重要な役割を与える等の譲歩を約束しました。
市場では、よりソフトなEU離脱として解釈され、その結果、ポンドは回復しました。しかしながら、BBC等のメディアは、実際の譲歩は合意されておらず、合意内容のみが協議されたと報道しました。英政治情勢は今まで以上に先行き不透明となり、アイルランド国境問題等の主要問題において合意が得られない中、EU離脱交渉は再度行き詰りました。これにより、短期的に政治情勢がポンドの下落圧力となる可能性があります。しかしながら、ポンドの今後の値動きは、経済指標の結果にも影響されることにも留意すべきでしょう。
昨日の米ドルは、殆どの対主要通貨で上昇し、特に対円での上昇は顕著でした。利上げが予想されている中、本日も上昇を拡大させる模様で、ドル/円は0.2%上昇し、3週ぶり高値110.60円まで値を切り上げました。利上げはほぼ織り込み済みとなっている為、市場の関心は、FRBが利上げのペース上昇を示唆するかに向けられるでしょう。
本日のFOMC政策発表と、明日のECB政策発表は、市場の大きな関心を集めるでしょう。週後半からは、市場の関心は再度貿易問題に向けられるでしょう。金曜日には、米政府が関税対象となる中国製品を公表する予定で、中国政府からの対抗措置も予想され、「貿易戦争」への懸念が再度浮上する可能性があります。
昨日、トランプ大統領は、中国政府による800億ドル規模の米農作物の追加購入は不十分であると発言しました。これにより、トランプ大統領が中国側からの一段の譲歩を求める為に、交渉前に、関税実施への圧力を強める可能性があります。
本日これからの市場: 英消費者物価指数、英生産者物価指数、ユーロ圏鉱工業生産、米生産者物価指数、及びFOMC政策発表
GMT0830には、英5月消費者物価指数が発表されます。3か月連続での下落を記録した前月結果の前年比2.4%増から、前年比2.5%増への増加が予想されています。イングランド銀行のインフレ目標は、年率2%となっています。消費者物価指数が市場予想を上回る結果となった場合、早期利上げ観測が浮上し、ポンド上昇要因となるでしょう。現在の所、翌週のイングランド銀行の政策会合での利上げは予想されていません。8月の利上げの可能性は44%となっています。
コアでの消費者物価指数は、前回結果と同じ前年比2.1%増が予想されています。
GMT0830には、英5月小売物価指数、及び英5月生産者物価指数の発表も予定されています。
GMT0900には、ユーロ圏4月鉱工業生産が発表されます。前月結果の前月比0.5%増に対して、前月比0.5%減が予想されています。鉱工業生産の鈍化は、第1四半期の景気減速が一時的現象との見方を疑問視させる可能性があります。前年比では、前月結果の3.0%増から2.8%増への鈍化が予想されています。
GMT1230には、米5月生産者物価指数が発表されます。しかしながら、米ドルのビッグイベントは、GMT1800に予定されている政策金利発表と声明文になるでしょう。市場では、今年になって二度目となる0.25%の利上げが広く予想されています。加えて、年内計4回の利上げが実施されるのか、ドットプロットで示されたように、年内3回の利上げが維持されるのかに注目が集まるでしょう。FRBのタカ派的見解は、米ドルを上昇させるでしょう。
GMT1830には、パウエルFRB議長のニュースコンファレンスが予定されています。当然ながら、パウエルFRB議長の発言内容は、市場に影響するでしょう。
GMT1430には、米エネルギー省の米原油在庫が発表され、原油相場の短期的見通しを示すでしょう。前回に約210万バレル増加し、今回は270万バレルの減少が予想されています。
テクニカル分析: EURUSDは短期的保ち合い相場の兆し
EURUSDは先週木曜日に4週ぶり高値1.1839ドルを更新後、若干上昇勢いが失速しました。RSIの上昇も止まり、現在の所、横ばい推移となっています。これにより、短期的保ち合い相場が示されています。
本日のFOMC会合で、タカ派的見解が示された場合、米ドル買いの圧力が強まり、EURUSDは下落するでしょう。直近のサポートゾーンは、1.17ドルを含む20日平均線上の1.1719ドル付近になるでしょう。一段と下落した場合、ボリンジャーバンドの下部1.1586ドルが視野に入るでしょう。この付近には1.16ドルも含まれます。
反対に、FRBが慎重な姿勢を見せた場合、米ドルが下落し、EURUSDは押し上げられるでしょう。直近のサポートゾーンは。1.18ドル付近になるでしょう。一段と上昇した場合、4週ぶり高値1.1839ドルと、ボリンジャーバンドの上部1.1852ドルが視野に入るでしょう。