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外国為替市場:本日、米ドルインデックスは下落したものの、下げ幅は0.2%未満でした。イタリアの新財務相による楽観的な発言が、市場の懸念を一段と緩和させ、ユーロは全面高となりました。欧州での政治リスク後退、及び今週の複数のリスクイベント前のポジション整理により、円安となりました。
株式市場: 先週金曜日の米株式市場の終値は上昇しました。S&P総合500種とダウ工業株30種はそれぞれ0.31%と0.30%上昇しました。ハイテク関連株の多いナスダック指数は、0.14%上昇しました。週末のG7サミットでは、貿易問題への懸念は株式市場に影響する程強く示されなかったようです。本日の米主要株価先物指数は、僅かであるものの、全て上昇して推移しています。
アジア株式市場はほぼ上昇しました。円安による輸出企業の見通し改善により、日経平均株価とトピックスはそれぞれ0.48%と0.30%上昇しました。香港株式市場は0.37%上昇しました。
欧州市場は、週末中のイタリアの財務相の発言が好感され、主要株価先物指数は大幅に上昇してのオープンを示しています。
コモディティ: 本日の原油価格は、先週金曜日の下げ幅を一段と拡大させました。米国とロシアの増産観測を背景に、WTI原油先物とブレント原油先物はそれぞれ0.2%と0.3%値下がりしました。先週金曜日に発表された米原油リグ稼働数は増加しました。ロシアのインテルファクス通信によると、6月上旬に日間生産量がOPECの目標値である1100万バレル未満を上回る1110万バレルとなったこを明らかにしました。
本日のゴールドは、先週金曜日のUSセッションに引き続き、大きな動きは見られませんでした。非常に狭いレンジ幅内で取引されているゴールドは、今週のリスクイベントにより遂に動く可能性があります。
主要な動き: ユーロは回復継続、主要イベント控え円安の流れ
おそらく、カナダのトルドー首相が7月1日より米国への関税実施を公表したことを受けて、週末中にトランプ大統領がG7での首脳宣言を承認しないことを明らかにしました。G7サミット終了後、トランプ大統領は、ツイッター上で、米国は輸入車への関税を検討しており、ドイツや日本等が対象となる見解を示しました。
しかしながら、市場の反応は殆ど見られませんでした。本日、リスク逃避先資産の円は、対米ドルで0.4%、対ユーロで0.8%下落しました。市場が反応しなかった要因として、イタリアの財務相によるポジティブな発言、及び今週に控える複数のリスクイベント前の円ポジションの整理が考えられます。FRBとECBは政策会合で緩和削減に一歩近づく見通しです。一方、日銀は超緩和策を当面の間は維持する見通しで、円の魅力は低下するでしょう。加えて、明日に予定されている米朝首脳会談でのポジティブな結果への期待が、地政学リスクを後退させ、円やスイスフラン等のリスク逃避先資産から資金が流出するでしょう。
週末中に、イタリアの新財務相が「ユーロ離脱の可能性はない」と発言したことにより、当面の間、イタリアのユーロ離脱懸念が危惧されることはないようです。加えて、財務相はGDPに対する債務の削減の必要性、及び債務削減に向けた枠組み構築の優先を強調しました。市場は大きく反応し、本日のイタリア国債の利回りは下落し、ユーロは対主要通貨で上昇しました。
本日これからの市場: 英鉱工業生産、英製造業生産発表;米朝首脳会談、中央銀行の政策会合に注目
GMT0830には、英4月鉱工業生産、及び英4月製造業生産が発表されます。英4月製造業生産は、前回結果の前月比0.1%減に対して、前月比0.3%増が予想されています。前年比では、前月結果の2.9%増から3.1%増への増加が予想されています。英4月鉱工業生産も、前月比と前年比共に、前月結果からの増加が予想されています。予想を上回る結果となった場合、早期利上げ観測が上昇するでしょう。英オーバーナイトインデックススワップによると、6月利上げの可能性は僅か11%となっています。
GMT0830には、英4月貿易収支も発表され、貿易赤字は前月結果の122.9億ポンドから113.5億ポンドへの減少が予想されています。
G7サミットを終了し、明日に米朝首脳会談を控える中、トランプ大統領はカナダ等のG7参加国に対して対立的な姿勢を維持しました。したがって、今後も引き続き、貿易問題の進展と、明日からシンガポールで開催される米朝首脳会談は注視されるでしょう。
加えて、水曜日にはFOMC政策会合、木曜日にはECB政策会合、そして金曜日には日銀の政策会合が終了する予定です。先週のECBメンバーによるタカ派的発言を受けて、ユーロは上昇基調を維持しています。現在、ユーロ/ドルは1.18ドルを超えて推移しています。
ベルリンでGMT1500よりメルケル独首相とIMF、世界銀行、国際労働機関、及び経済協力開発機構の代表者が集う協議後に開催されるニュースコンファレンスにも市場の関心が集まるでしょう。
テクニカル分析: GBPUSDは短期的強気相場の兆し
GBPUSDは5月29日に7か月ぶり安値1.3203ドルまで値を切り下げた後、200ピップス以上上昇しました。RSIは、短期的強気相場の見通しにより、上昇しています。
本日発表される英経済指標が好調な結果となった場合、GBPUSDは上昇するでしょう。この場合、レジスタンスゾーンは、先週に記録した3週ぶり高値1.3471ドル付近になるでしょう。この付近には1.35ドルも含まれます。一段と上昇した場合、1.36ドルが視野に入るでしょう。
反対に、英経済指標が予想を下回る結果となった場合、GBPUSDの下落圧力が強まるでしょう。直近のサポート損は1.35ドル付近となり、一段と下落する場合には、1.34ドルが視野に入るでしょう。