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外国為替市場:本日の米ドルインデックスは、昨日のUSセッションでの下落幅を若干回復させ、0.1%上昇しました。ユーロは、数日間の上昇後、若干下落しました。市場のリスクオンムード後退により、円は昨日の上昇幅を拡大させ、円高が継続しています。
株式市場: 昨日の米株式市場は強弱混合の動きとなりました。トランプ大統領がG7サミット参加への不満を表し、貿易問題への不透明感が上昇した為、市場のリスク選好の動きが後退しました。ダウ工業株30種は0.38%上昇しました。一方、S&P総合500種とナスダック指数はそれぞれ0.07%と0.70%下落しました。ナスダック指数下落の背景には、AMDやインテルの大幅な株価下落があります。本日の米主要株価先物指数は、全て下落してのオープンを示しています。
アジア株式市場も全面安の展開となりました。日経平均株価とトピックスはそれぞれ0.56%と0.42%下落しました。香港株式市場は1.99%の下落となりました。
欧州市場も、主要株価先物指数が大幅に下落してのオープンを示しています。
コモディティ: 本日の原油価格は、昨日のUSセッションでの上昇から若干下落しました。WTI原油先物は約0.50%、ブレント原油先物は0.45%値下がりしました。市場のリスクオンムード後退と中国の原油輸入の減少が、原油価格を押し下げました。加えて、主要産出国による増産開始の可能性も意識されています。
本日のゴールド価格は、リスクオフムードによるリスク逃避先資産への需要増加にも関わらず、0.2%下落しました。ゴールドは引き続き狭いレンジ幅内での取引を継続しています。翌週に控える米朝首脳会談、FOMC政策会合、及び米国の対中関税決定等の複数のリスクイベントにより、レンジを突き抜けるかが注目されるでしょう。
主要な動き: ユーロ高一服、新興国市場の不透明感でリスクオン後退
昨日のユーロは、円やスイスフラン等のリスク逃避先資産を除く対主要通貨で、一段と上昇しました。翌週に控えるECB政策会合においてのよりタカ派的見解への期待が、ユーロ高に繋がりました。
昨日の欧州セッション終盤には、新興国市場での動きが市場のリスクオンムードを後退させ、円とスイスフランが上昇し始めました。ブラジルでは、10月の大統領選挙の不透明感、及び株式市場の下落により、資金が米国債等の安全資産に流出し、ブラジルレアルは対米ドルで2年ぶり安値まで急落しました。トランプ大統領によるG7サミット早退の意向により、G7サミットでの貿易問題解決への期待が後退し、市場のリスクオフムードを一段と強めました。
本日のポンドは荒い値動きとなりました。EU離脱に関するニュースと、イングランド銀行の発表がポンドを正反対の方向に動かしました。まずポンドを動かしたのは、メイ英首相とデービスEU離脱担当相がEU関税ルールにおいて、意見が激しく対立しているとのニュースでした。バックストップ期間終了が合意に達しない場合、デービスEU離脱担当相の辞任の可能性も補導されました。その後、イングランド銀行のラムズデン副総裁が、英経済見通しに楽観的見解を示したことにより、ポンドが回復しました。
新興国市場に関しては、昨日、トルコ中央銀行が政策金利を市場の予想を上回る17.75%まで引き上げ、トルコリラ安に歯止めがかかりました。これにより、トルコ中央銀行によるトルコリラ安を阻止する姿勢が市場を安心させ、当面の間は、トルコリラの下落が阻止される模様です。
本日これからの市場: G7サミットに注目、カナダ雇用統計発表
最近の貿易問題へのリスク再浮上により、本日から明日にかけてカナダで開催されるG7サミットは市場の注目を集めるでしょう。米国による追加関税決定により、米国と参加国との意見の対立の可能性も予想されます。サミット後の共同声明がまとまらない可能性があります。ドイツとフランスが温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」、イラン核合意、及び関税において一致点が見いだせなければ、声明に著名しない姿勢を見せました。リスク上昇が市場のリスクオンムードを後退させ、資金がリスク資産からリスク逃避先資産に移動するでしょう。
GMT1215には、カナダ5月住宅着工件数が発表されます。GMT1230に発表されるカナダ5月雇用統計がカナダドルをより動かす要因となるでしょう。カナダ5月就業者数は、0.11万人減の前月結果に対して、17.5万人増が予想されています。カナダ5月失業率は、引き続き、過去数十年での最低水準5.8%となる見込みです。オーバーナイトインデックススワップによると、7月利上げの可能性は約69%となっています。雇用統計が好調な結果となった場合、利上げ観測が一段と上昇し、カナダドル買いの圧力を強めるでしょう。同時刻には、カナダ第1四半期設備稼働率も発表されます。
GMT1400には、米4月卸売売上高が発表されます。
GMT1700には、ベーカーヒューズ社のリグ稼働数が発表され、原油価格の短期的見通しを示すでしょう。
GMT0715には、パリで開催される国際リスク管理コンファレンスにおいて、ECBのメルシュ理事が基調演説を行う予定です。
テクニカル分析: USDCADは短期的強気相場、上昇勢い減速の可能性
5月11日に、USDCADは1か月半ぶり安値1.2728ドルまで急落後、2.5セント以上回復しました。転換線と基準線の上昇が、短期的強気相場を示しています。しかしながら、転換線も基準線も平坦化しつつあることから、上昇勢い減速の兆候も示されています。
本日発表されるカナダ雇用統計が好調な結果となった場合、カナダドル高が進み、USDCADは押し下げられるでしょう。この場合、転換線上の1.2942カナダドルと、基準線上の1.2897カナダドル付近がサポートゾーンになるでしょう。このサポートゾーン付近には、2017年後半の複数の高値も含まれています。
反対に、カナダ雇用統計が予想を下回る結果となった場合、カナダドルは下落し、USDCADは押し上げられるでしょう。現在、USDCADは1.30カナダドルを若干上回る水準で推移していますが、この付近が直近のレジスタンスとして機能する可能性があります。一段と上昇した場合には、今週火曜日に記録した2か月半ぶり高値1.3066カナダドル、及び3月19日に記録した約1年ぶり高値1.3124カナダドルを試す展開となるでしょう。
貿易問題の進展もUSDCADの値動きに影響するでしょう。