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外国為替市場:本日の米ドルインデックスは昨日の下げ幅を拡大させ、0.2%低下しました。米ドルインデックス低下の要因は、ユーロの回復でした。昨日、カナダ中央銀行のタカ派的見解により、カナダドルが上昇しました。
株式市場: ユーロ圏内の政治的不透明感が若干後退し、米株式市場は大幅に回復しました。S&P総合500種は1.27%、ダウ工業株30種は1.26%、ハイテク関連株の多いナスダック指数は0.89%上昇しました。本日にはリスク選好の動きに陰りが見え、米主要株価先物指数は若干下落してのオープンを示しています。
本日のアジア株式市場は全面高になりました。日経平均株価とトピックスはそれぞれ0.83%と0.65%上昇しました。香港株式市場は0.98%上昇しました。
欧州市場に関しては、主要株価先物指数が堅調推移し、大幅に上昇してのオープンを示しています。
コモディティ: 昨日のリスクオンムード回復により、原油価格は大幅に回復しました。しかしながら、昨日の米石油協会の原油在庫に増加が見られたため、本日には再度下落しました。WTI原油先物は0.25%、ブレント原油先物は0.4%値下がりしました。GMT1500には、米エネルギー省の米原油在庫が発表されます。
本日のゴールド価格は、おそらく米ドルの下落により、0.3%上昇し、現在の所、1305ドル付近で推移しています。ゴールドは200日平均線上の1307ドルを若干下回る水準で取引されています。過去数週間で3回も1307ドルで跳ね返されていることから、今後1307ドル越えを達成するかが注目されるでしょう。
主要な動き:
市場で広く予想されたように、昨日、カナダ中央銀行は政策金利の据え置きを発表しました。声明文では、「4月以降の展開は、より高水準の政策金利が正当化されるとの見方を一層強固にしている」と述べられ、よりタカ派的見解が明確に示されました。おそらく、より重要なことは、今までの声明文に繰り返し記載されていた利上げに慎重な文言が削除されたことでしょう。総じて、カナダ中央銀行の楽観的見解が明確になりました。これにより、7月利上げ実施の可能性が上昇しました。
声明文に加え、原油価格の回復もカナダドルを対米ドルで上昇させました。7月利上げが市場で織り込まれつつある中、今後数週間は主要なカナダ経済指標発表が控えておらず、NAFTA交渉にネガティブなニュースもないことから、カナダドルが上昇相場を継続する可能性があります。
欧州の債券市場での大きな動きにより、昨日のユーロは回復しました。欧州の政治的不透明感への懸念が若干後退したことにより、イタリアと欧州周縁国の国債利回りが若干低下し、資金が戻って来たことが示されました。
イタリアの大統領は、2つのポピュリスト政党による連立樹立発足の為に、時間的猶予を与えることを公表しました。これにより、反エスタブリッシュメント政党による勢力拡大が懸念される再選挙の可能性が後退しました。
貿易問題に関しては、昨日、中国は米国に対抗して、他のアジア諸国や欧州との協調を模索していることが報道されました。米政府は、米国の知的財産権問題に中語句が対応しない場合、制裁関税を発動する姿勢を見せています。
本日これからの市場:
GMT0830には、英4月消費者信用残高、及び英4月モーゲージ承認件数が発表されます。
GMT0900には、ユーロの値動きに影響を及ぼす可能性が大きいユーロ圏5月消費者物価指数・速報値が発表されます。市場予想は、前月結果の前年比1.2%増から上昇した前年比1.6%増となっています。生鮮食品とエネルギーを除いたコアの消費者物価指数は、前月結果の前年比1.1%増に対して、前年比1.3%増が予想されています。予想を上回る結果となった場合、早期利上げ観測が浮上し、ユーロ高の要因になるでしょう。同時刻には、ユーロ圏4月失業率も発表され、2008年後半以来の低水準である8.4%が予想されています。
ユーロ相場では、イタリアの政治情勢、及びイタリア程の影響はないものの、スペインの政治情勢にも注意が必要です。昨日、イタリアの政治情勢への懸念が後退し、ユーロが上昇しました。
GMT1230には、米4月個人所得、米4月個人消費、及び米4月コアPCEデフレーターが発表されます。特に、コアPCEデフレーターはインフレの目安としてFRBが重視する指標です。好調な結果となった場合、年内利上げ回数増加に繋がる可能性があります。 FRBの目標年率2%に対して、コアPCEデフレーターは前月結果の前年比1.9%増から前年比1.8%増への鈍化が予想されています。同時刻には、米週次新規失業保険申請件数も発表されます。
GMT1345には、米5月シカゴ購買部協会景気指数が、GMT1400には米4月中古住宅販売保留件数指数が発表されます。
昨日、カナダ中央銀行の見解がタカ派的と判断されたことにより、カナダドルが上昇しました。GMT1230に発表されるカナダ3月GDP、及びカナダ第1四半期GDPはカナダドルの値動きに影響するでしょう。
テクニカル分析:
昨日のEURGBPは、今週前半の下落から回復し、0.75%上昇しました。最近のRSIは50の中立線付近で横ばい推移し、短期的保ち合い相場を示しています。
本日発表されるユーロ圏消費者物価指数が好調な結果となった場合、EURGBPは上昇するでしょう。直近のサポートゾーンは、3月7日から4月17日にかけてのフィボナッチリトレースメント下降トレンドの50%上の0.8793ポンド付近となるでしょう。100日平均線上の0.8789ポンドもこのサポートゾーンに含まれます。0.8793ポンドを上抜けると、フィボナッチリトレースメント61.8%上の0.8834ドルが視野に入るでしょう。
反対に、ユーロ圏消費者物価指数が予想を下回る結果となった場合、EURGBPの下落圧力が強まるでしょう。フィボナッチリトレースメント38.2%上の0.8752ポンドがサポートゾーンになるでしょう。50日MA上の0.8749ポンドもこのサポートゾーンに含まれ、その下には、フィボナッチリトレースメント23.6%上の0.8701ポンドが控えています。