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外国為替市場: 本日の米ドルインデックスには殆ど動きが見られませんでした。昨日の米ドルインデックスは、米中貿易摩擦緩和により、本年度最高水準まで上昇しましたが、その後、上昇幅を全て失って取引を終了しました。
株式市場: 米中貿易戦争保留の報道が市場のリスクオンの動きを強め、昨日の米株式市場は上昇して引けました。ダウ工業株30種は1.21%、S&P総合500種は0.74%、ナスダック指数は0.54%上昇しました。本日の米主要株価先物指数の動きは、若干上昇してのオープンを示しています。
アジア株式市場では、日経平均株価とトピックスはそれぞれ0.18%と0.23%低下しました。本日、香港と韓国の市場は祝日により閉場となっています。
欧州市場では、主要株価先物指数の堅調推移から、上昇してのオープンが予想されます。
コモディティ: 昨日の原油価格は上昇しました。WTI原油先物は数年ぶり高値を更新し、ブレント原油先物は最近の高値を若干下回る水準を維持しました。本日、WTI原油先物は0.2%、ブレント原油先物は0.3%値上がりました。原油高の背景には、米中貿易摩擦緩和と、ベネズエラのマドゥロ大統領再選によるベネズエラへの新たな制裁観測があります。新たに制裁が実施されると、既に低下したベネズエラの原油産出は一段と低下するでしょう。昨日にポンペオ米財務長官が提示したイランとの核合意条件も、原油高の要因となった模様です。
本日のゴールド価格は0.12%下落しました。過去1週間のゴールド価格は1290ドル付近での推移を継続しており、貿易問題や地政学リスク進展に殆ど反応していないことを示しています。
主要な動き: 本年度最高値更新後、米ドル停滞;伊政治情勢に注目
昨日の米ドルインデックスは、米中貿易摩擦緩和により、本年度最高水準まで上昇しましたが、その後、上昇幅を全て失って取引を終了しました。米ドルは対円とポンドで上昇幅を維持することができました。
多数の重要な英経済指標発表、及び8月利上げに影響するイングランド銀行の発言を控え、今週のポンドは荒い値動きが予想されます。現在、8月利上げの可能性は40%となっています。
昨日にはリスク材料が比較的少なく、主要なニュースはイタリアの政治情勢の進展でした。「五つ星運動」と「同盟」の両党は、次期首相候補にジュセッペ・コンテ氏を提案しました。イタリアの国債市場からの資金流出は継続し、イタリア10年債利回りは2017年3月以来の高水準まで急騰しました。
イタリア国債市場の動きは、イタリアの新政権による財政政策への懸念を反映している模様です。昨日、格付け会社フィッチは、新政権による財政政策はイタリアの金融リスクを高めると警告しました。イタリアの政治的不透明感がユーロを引き下げ、最近の利上げ観測が米ドルを下支えしたことにより、ユーロ/ドルは本年度最安値まで急落しました。
本日これからの市場: 英中銀カーニー総裁のインフレ見通しに注目
GMT0900には、イングランド銀行の政策メンバーが金融委員会において、インフレと英経済見通しについて発言します。過去数週間の英経済指標の脆弱な結果により、5月10日の政策会合では政策金利の据え置きが決定しました。現在、8月利上げの可能性は40%となっています。政策メンバーが慎重な姿勢を見せた場合、緩和政策削減への着手の疑問が浮上し、ポンドは対主要通貨で一段と下落する可能性があります。
GMT1000には、英5月CBI産業受注動向が発表され、ポンド相場に影響するでしょう。本指標が英経済の好調な見通しを示す結果となった場合、ポンドの下支え要因となるでしょう。
GMT1230には、カナダ3月卸売売上高が発表されます。前月比0.9%減となった前月結果に対して、前月比0.8%増が予想されています。
GMT2130には、米石油協会により米原油在庫が発表されます。原油在庫に減少が見られた場合、原油価格が最高値を更新するかが注目されるでしょう。
米中貿易問題の進展は、引き続き市場の注目を集めるでしょう。更に、英国のEU離脱交渉も注視されるでしょう。
テクニカル分析: EURGBPの上昇勢いが短期的に失速の可能性
3週ぶり安値からの上昇が止まったEURGBPは、0.8836ポンドから0.8712ポンドまでのフィボナッチリトレースメント下降トレンドの50%を若干上回る水準で推移しています。RSIは下落し、ストキャスティックは買われ過ぎ水準から下落しつつある為、短期的に上昇勢い失速の可能性が示されています。
本日、イングランド銀行政策メンバーの発言がEURGBPを押し下げた場合、0.8836ポンドから0.8712ポンドまでのフィボナッチリトレースメント下降トレンドの38.2%上の0.8759ポンド付近が直近のサポートゾーンになるでしょう。一段と下落した場合、フィボナッチリトレースメント23.6%と20日平均線が交差する0.8741ポンド付近が次のサポートゾーンになるでしょう。0.8741ポンドもした抜けた場合、3週間ぶり安値0.8712ポンドが視野に入るでしょう。
英インフレ見通しに脆弱な見解が示された場合、EURGBPは上昇し、フィボナッチリトレースメント61.8%上の0.8788ポンドがレジスタンスとして機能するでしょう。一段高となった場合には、フィボナッチリトレースメント78.6%上の0.8809ポンドが控えています。