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外国為替市場:昨日の米消費者物価指数の予想を下回る結果により下落した米ドルインデックスは、本日には若干回復し、0.1%上昇しました。昨日、イングランド銀行が短期的利上げ見込みを下方修正したことにより、ポンドも大幅に下落しました。
株式市場: 米消費者物価指数の脆弱な結果が米利上げ観測を後退させた為、昨日の米株式市場は上昇しました。S&P総合500種は0.94%、ナスダック指数は0.89%、ダウ工業株30種は0.80%上昇しました。本日の米主要株価先物指数は、若干下落してのオープンを示しています。
アジア株式市場は、昨夜の米株式市場の流れを引き継ぎ、上昇しました。日経平均株価とトピックスはそれぞれ1.16%と0.98%上昇しました。香港株式市場は、1.02%上昇しました。
欧州市場では、本日の主要株価先物指数は、限定的な上昇幅であるものの、上昇して推移しています。
コモディティ: 昨日の原油価格は若干下落したものの、依然として数年ぶり高値で推移しています。WTI原油先物とブレント原油先物はそれぞれ0.1%と0.2%上昇しました。原油供給に大きく影響を及ぼす可能性があるイランへの制裁再開を米国が決定したことにより、他の原油産出国が増産して穴埋めするかに市場は注目しています。
昨日のゴールド価格は10ドル以上上昇し、一時1322ドルまで値を切り上げました。本日には若干押し戻され、1320ドルで取引されています。昨日のゴールド価格上昇の主要因は、米消費者物価指数の低調な結果による米ドル下落でした。
主要な動き: 英中銀の利上げ見通し下方修正でポンド安、米CPI結果で米ドル安
昨日の英政策金利発表を受けて、ポンドの下落圧力が一段と強まりました。市場で広く予想されたように、イングランド銀行は7対2で政策金利の据え置きを決定しました。更に、イングランド銀行は、GDPとインフレ見通しを下方修正し、利上げに急がない姿勢を示しました。イングランド銀行は、最近の英経済失速を認識し、一時的な失速であるか、或いは根強く継続する失速であるかを見極める為に、当面の間は様子を見る姿勢を明確にしました。
イングランド銀行の見解で明らかとなったことは、利上げは延期されるものの、排除されるわけではないということです。次回利上げの時期は、今後数カ月の英経済指標結果次第になるでしょう。8月利上げ観測は大幅に低下し、英オーバーナイトインデックススワップによると、42%となっています。利上げ観測の見通しは、今後数週間に発表される英経済指標結果次第になるでしょう。また、利上げ観測と英経済指標の結果により、ポンドも動くでしょう。
昨日の米消費者物価指数の脆弱な結果により、米ドルインデックスは急落し、93を割り込みました。米4月消費者物価指数は、前年比で市場予想と一致した2.5%増となったものの、コアでの消費者物価指数が市場予想を下回る結果となりました。これにより、インフレの速いペースでの上昇期待だけでなく、より積極的な利上げへの期待も後退しました。
昨日、トランプ大統領は6月12日にシンガポールで米朝会談を行うことを明らかにしました。
本日これからの市場: カナダ雇用統計、及び米ミシガン大消費者信頼感指数発表、伊政治情勢に注目
GMT1230にはカナダ4月雇用統計が発表されます。カナダ4月就業者数は、17.4万人増が予想されており、前月結果の32.3万人増を下回り模様です。しかしながら、依然として堅調な労働市場を反映する数値となっています。失業率は約10年ぶり低水準の5.8%が予想されてています。予想を上回る結果となった場合、速いペースでの利上げ観測が上昇し、カナダドルを押し上げるでしょう。カナダは原油の主要な輸出国であるため、原油高もカナダドル高の要因になるでしょう。
GMT1400には、米5月ミシガン大消費者信頼感指数・速報が発表されます。前月結果の98.8から98.5への若干の鈍化が予想されています。昨日の米消費者物価指数の予想を下回る結果が米ドルを押し下げたことから、ミシガン大消費者信頼感指数の結果に注目が集まるでしょう。
GMT1230には、米4月輸出物価指数、及び米4月輸入物価指数が発表されます。
イタリアでは、ポピュリストの2政党による連立樹立に向けた動きがあり、ユーロの値動きへの影響が考慮され、注目が集まるでしょう。
GMT1700に発表されるベーカーヒューズ社のリグ稼働数も注目されるでしょう。
GMT1315には、ECBのドラギ総裁の講演が予定されています。
GMT1230には、本年度のFOMCで投票権を持たないセントルイス連銀のブラード総裁が、米経済と金融政策について講演を行います。GMT1310には、カナダ中央銀行のウィルキンソン副総裁の発言も控えています。
本日には、トランプ大統領による処方箋薬の価格抑制に関する演説が予定されており、製薬会社の株価が注目されるでしょう。
テクニカル分析: USDCADの下落勢い若干緩和
USDCADは火曜日に7週ぶり高値1.2997カナダドルまで上昇後、大幅に下落しました。昨日、USDCADは3週ぶり安値1.2742カナダドルまで下落しました。転換線が基準線を下回り、短期的弱気相場の兆しが表れています。しかしながら、基準線が平坦化しつつあることから、下落圧力が緩和しつつある可能性があります。更に、遅行スパンが買われ過ぎ市場の可能性も示しています。
カナダ雇用統計の強い結果は、カナダドルを上昇させ、USDCADを押し下げるでしょう。昨日の安値1.2742ドル付近がサポートゾーンとなり、一段と下落した場合には、1.27カナダドルが視野に入るでしょう。
反対に、カナダ雇用統計の脆弱な結果はUSDCADを押し上げるでしょう。1.28カナダドル付近がレジスタンスゾーンとなる模様です。この付近には、転換線上の1.2801カナダドル、100日平均線上の1.2825カナダドル、及び最近の安値が控えています。
原油相場の値動きも、USDCADの値動きに影響するでしょう。